2008年8月26日 

自衛官の自殺に関する福岡高裁の判決について(談話)

社会民主党党首
福島みずほ

 昨日福岡高裁は、1999年11月に海上自衛隊佐世保基地の護衛艦「さわぎり」の艦内で、海上自衛隊の自衛官だった息子が自殺したのはいじめが原因だったとして両親が国に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、上司の行為と自殺との因果関係を認め、国に350万円の支払いを命じる原告逆転勝訴の判決を言い渡した。

 社民党は、他にも自衛官の自殺や自殺未遂が起きていることを重視し、2000年5月に佐世保に調査団を派遣し、その後も質問趣意書を何度も提出し、国会で質問してきた。この問題は、上官が人格を否定するような激しいいじめを繰り返してきたことが、若い自衛官を死に追いやったものであり、自衛隊の内部に人権を軽視する体質があったことに起因するものとして追及してきた。

 福岡高裁の判決は、きわめて妥当なものであり、自衛官の自殺について争った裁判で、国の責任を初めて認めた判決が福岡高裁から出されたのは、画期的なことである。被告である国および海上自衛隊は、亡くなった本人と遺族の苦しみを真摯に受けとめ、上告すべきではない。また、自衛隊内部のメンタルヘルス対策に、万全の取り組みを行うべきである。

 社民党は、自衛官の人権が尊重され、このような痛ましい事件が自衛隊内で起きないように、引き続き努力していく。

以上


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