2008年9月12日
農林水産大臣 太田誠一様
社会民主党・党首 福島みずほ
農林水産部会長 菅野哲雄
三笠フーズによる汚染米・事故米の食用転用事件は、汚染米と知らずに購入した焼酎・酒造、米菓製造あるいは飼料製造業者に多大な被害を与えたにとどまらず、病院や高齢者福祉施設などの給食として提供されていた事実さえ明らかになり、国民の怒りと不安をかきたてています。基準値を超えた汚染米を食用に転売し、平然と利ざやを稼いできた三笠フーズら加工業者の行為は言語道断であり、その脱法行為は厳しく断ぜられるべきです。
他方、食用転用の可能性がありながら食品加工業者に汚染米の売却を繰り返し、96回におよぶ立ち入り検査を実施しながら生命と食の安全に関わる不正を見抜けなかった農林水産省の責任は、際めて重大です。わけても、昨年1月に食用転用の有力情報を得ながら、摘発に至らなかった事実は農林水産省の検査体制の不備を明確に示すものです。
ついては、汚染米の流通経路の特定など事実関係の早期解明、徹底的な再発防止策の確立、農林水産省としての責任の在り方について、以下、申し入れいたします。
記
1. 2003年以前のケースも含め、汚染米・事故米の流通経路を徹底的に調査し、転売事件の全容を早急に公表すること。農林水産省を中心に関係省庁、自治体と連携し、そのための体制をさらに強化すること。
2. 96回におよぶ立ち入り検査、07年1月の情報提供がありながら、なぜ不正を見抜けなかったのか、原因を詳細に公表すること。
3. MA米以外に、民間商社を通じて販売された汚染米・事故米の流通経路についても徹底的に調査すること。その際、食の安全・食用転売防止の観点から、農林水産省がどのような対応を行ってきたのかについて明らかにすること。
4. 残留基準を超えた輸入汚染米については、水際で廃棄または輸出先に返送し、当該国からの輸入を禁止すること。この点、事故米の返送を盛り込んだ9月10日の農林水産大臣指示は、一時的あるいは恒久的な措置なのか、明らかにすること。
5. 工業用米の食用転用を防ぐ手ため、検査・監視体制の強化に着手し、違反業者への罰則強化を含め、早急に対策を講じること。その際、輸入米のトレイサビリティ実施についても検討すること。
6. 食用に転用され、流通した製品の回収に責任を持つと同時に、同製品の健康に与える影響について中立的な機関による検査を実施し、結果を公表すること。
7. 風評被害を含め、汚染米と知らずに購入・加工した業者などに対する被害対策を早急に講ずること。
8. 転売の事実を見逃し続け、食の安全・安心をないがしろにし、国民の不信を助長させた農林水産省の責任の在り方を明確にすること。
以上
(リンク)
ニュース┃汚染米転売
農水省に申し入れ
ニュース┃中国製冷凍ギョーザの中毒事件
実効ある「消費者行政一元化」を
政策┃社民党の農林水産政策
政策┃今こそ有機農業。有機農業で、石油漬け農業から脱却を。