2008年12月15日

非正規労働者支援の緊急申し入れ
−年末年始を目前に−

厚生労働大臣
舛添要一様

社会民主党 党首
福島みずほ

 12月11日、派遣・期間工など非正規労働者の解雇が全国一多い愛知県の、刈谷職業安定所、雇用促進住宅(豊田市)等を訪問して愛知労働局を含め関係者等から雇用情勢や取り組みをきいた。現下の雇用情勢においては「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」および「派遣先が講ずべき措置に関する指針」が遵守されておらず、その実効性がないことや廃止を閣議決定された部分を含む雇用促進住宅等の活用が住み込み派遣切りで住いを失った非正規労働者に対して緊急避難的でかつ有効な方法であると判断した。また、労働局・公共職業安定所が非正規労働者の雇用保険の加入実態について全く承知していないことがわかった。

 したがって、社民党は安易な派遣切りを許さず非正規労働者の雇用と住いを守るために政府に対してすみやかに下記の事項を実行するよう要求する。

T 派遣元・先事業主が講ずべき措置に関する指針

1.「現下の雇用労働情勢を踏まえた取組みについて」(12月9日付)と「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」および「派遣先が講ずべき措置に関する指針」の周知の徹底と実効性を確保し、職を失った労働者に対する就職の「斡旋」「確保」がなされること。とりわけ派遣先へ安易な派遣契約解除を許さないためにも派遣先への働きかけを強めること。

2.「非正規労働者の雇止め等の状況について」(11月28日付)の調査は臨時的対処であることから、あらたに大規模で詳細な調査を実施すること。

U 雇用保険制度

3.多くの非正規労働者が雇用保険の加入漏れの恐れがあることがわかった。これは求人票受付職業安定所と就労先職業安定所が違うことによって、非正規労働者の雇用保険の加入状況等を就労先職業安定所が実態を掌握できていない。この状況を解消し、派遣・期間工など非正規労働者が資格がありながら雇用保険に加入していない実態を掌握する措置を講ずること。

4.雇用保険の加入資格・受給資格等は正規労働者と非正規労働者の差別をなくして取り扱いを同一にすること。

5.雇用保険三事業の、雇用福祉事業を復活させること。

V 住いの確保−雇用促進住宅の活用を中心に

6.雇用促進住宅廃止の閣議決定を取消すかまたは数年の間凍結することによって、非正規労働者を入居させること。

7.雇止めされた非正規労働者に対する雇用促進住宅の入居要件(所得、保証人など)の改善や手続きの簡素化をはかり、申し込み後、早期に入居させること。保証人には派遣元事業主になることを推進すること。

8.住み込み派遣の非正規労働者が次の就職先が決定するまでは社員寮等に居住をさせる措置を講ずること。その間の政府の助成措置を講ずること。

W 労働行政の人員確保

9.「現下の雇用労働情勢を踏まえた取組みについて」が実行可能な人員を確保し、各都道府県労働局・職業安定所・労働基準監督署の配置を増員し配置すること。

10.各職業安定所に総合的相談窓口を設置すること。人員配置は地域の状況を踏まえて複数以上とすること。

以上


(関連)
声明・談話年末年始における相談窓口等に関する緊急申し入れ(08年12月19日)
ニュース「非正規」の雇用保険加入実態調査、ハローワーク延長利用を要請