2008年12月18日
総務大臣
鳩山 邦夫 様
社会民主党・党首 福島みずほ
総務部会長 重野安正
世界的な金融危機と景気後退を理由とした派遣・請負労働者、期間工の雇い止め・中途での契約解除・解雇が大量に発生しています。このような事態を生み出した原因は、競争至上主義と労働法制の改悪、なかんずく派遣法の規制緩和にあります。また、構造改革によるセーフティーネットの崩壊も深刻さに拍車をかけてきました。我が党は弱者を切り捨てる政策の転換を政府に対して強く要求してきましたし、雇用の調整弁とばかりに非正規労働者をモノのように使い捨てる大企業の横暴は社会的に断固糾弾されるべきものであり、経営者の経営責任こそ問われるべきです。
他方、年の瀬を前に住居すら失う派遣・請負労働者、期間工が続出するなど、事態への対応は急を要しています。すでに大分県などの一部自治体では、失業した非正規労働者に対して市の臨時職員としての採用を受け付けたり、公営住宅への入居のあっせん、家賃補助などの計画も立てられつつあります。しかし、自治体財政は三位一体改革や総人件費抑制政策などによって相当に痛んでおり、財政的な制約から必要な対策が打てない自治体も出てくる可能性があります。
ついては、雇用確保、失業者支援、雇用創出など自治体が行なう緊急の雇用対策への支援を総務省をあげて講じていただけるよう、以下、申し入れいたします。
記
1. 現下の深刻な雇用情勢に鑑み、自治体が緊急の雇用対策を行えるよう財政的な措置を講じること
2. 財政的な支援については、住宅対策なども含め、幅広く活用できるような中身とすること
3. 事態の緊急性を考慮し、可及的速やかに決定し、迅速な支援を実施すること
4. 自治体の公共サービスの充実確保と雇用の創出に向け、地方交付税の増額確保を図ること
以上
社民党の重野安正幹事長、又市征治副党首、菅野哲雄自治体委員長は18日、上記申し入れを総務省に対して行った。また、申し入れの内容を又市副党首が参議院総務委員会で取り上げたところ、鳩山総務大臣から、特別交付税で支援するとの答弁を引き出し、総務省は20日付で各自治体に通知した。