2009年7月28日
社会民主党党首
福島みずほ
1.本日法務省は、大阪拘置所で2人、東京拘置所で1人、計3人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。社民党は死刑制度が人道と社会正義に反するものとして、その存置に強い疑問を呈してきた立場から、今回の3人の死刑執行に強く抗議する。
2.今回の執行は、今年1月29日の執行に続くものである。冤罪事件であることが確定的となった「足利事件」を契機として死刑制度に関して国内でも大きな議論があるにもかかわらず、これを無視して死刑を執行した森英介法務大臣と法務省の姿勢は、言語道断と言わざるを得ない。
3.1989年の国連総会で「死刑廃止を目指す、自由権第二選択議定書」(死刑廃止条約)が採択されて以来、国連人権委員会でも「死刑廃止に関する決議」がなされ、死刑存置国に対して「死刑に直面する者に対する権利保障を遵守するとともに、死刑の完全な廃止を視野に入れ、死刑執行の停止を考慮するようにもとめる」とした呼びかけがなされた。日本は、この条約を未だに批准していない。2007年12月には、国連総会で死刑の執行停止を求める決議がされた。さらに、2008年6月初旬に開かれた国連人権理事会の作業部会でも、多くの国が日本の死刑執行継続に懸念を表明し、日本政府に対し死刑の停止を勧告した。国連総会は2008年12月18日にも、死刑執行の一時停止などを求める決議案を採択した。2年連続の採択は、死刑の廃止が国際社会の共通の意思となりつつあることを示している。しかしながら、日本政府は一貫して、死刑制度の廃止に向かう世界の流れを無視しつづけている。
4.死刑制度については、存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方について国民的な議論を尽くし、その間、政府は死刑の執行を差し控えるべきである。社民党は今後も死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。
以上
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