2009年4月29日

第80回メーデー・アピール

 全国の働く仲間のみなさん、第80回メーデーを心からお祝い申し上げ、連帯と激励のメッセージを送ります。

 今年のメーデーは、昨年後半に起きた世界的な金融危機によって、生産、流通、サービスといった実体経済にも深刻な影響がおよび、厳しい雇用情勢のもとで実施されています。「派遣切り」など非正規雇用労働者の解雇攻撃は、正規雇用の労働者にも広がってきました。内定取り消しは、これから自立しようとする次世代の労働者から、希望を奪っています。また09春闘で、「賃上げこそ最大の景気回復策」だとして、連合をはじめとする労働組合は積極的なベア要求をしましたが、経営側が景気後退を逆手にとり、働く者の切実な賃上げ要求に背を向けたことは、大きな問題だと言わざるをえません。

 雇用と賃金の安定は全労働者的な課題です。メーデーを機に、全国各地で、すべての働く人々が自分たちの職場と生活を守るために声をあげ、立ち上がりましょう。

 社民党は、働く者の生活と権利を守るために、「緊急雇用・医療対策本部」を立ち上げて、困っている人々の声を聞き、雇用の現場に赴いて、解決策を探るために努力してきました。「経済大国」といわれる日本で、突然職場を追われ住む家を失うなどということがあってはなりません。

 社民党は国会でも、雇用の悪化を食い止めるための活動をしてきました。企業による安易な派遣切りを止めさせるためには、労働者派遣法の抜本的な改正を早期に実現しなければなりません。「雇用保険−求職支援−生活保護」の三重のセーフティネットを充実させることも重要です。雇用保険法のさらなる改善と、長期失業者が生活支援を受けながら職業訓練も受けられる仕組みが必要です。しかしながら、政府の対策はきわめて不十分です。将来社会を展望し、積極的に雇用の創出に取り組まなければなりません。社民党は、介護・医療・子育て支援などの福祉や、農林水産、環境・新エネルギー、教育などの分野を活性化し「いのちと緑の公共事業(ヒューマン・ニューディール)」を推進します。そして、来る衆議院総選挙で勝利し、働くものを大切にする政策を着実に実現させていきます。社民党は、連合をはじめとする労働組合と連携を深め、要求実現に努力するとともに、非正規雇用の人たちともしっかり連帯し、働く人々の雇用の確保と安定に全力を挙げます。

 メーデーは、1886年にシカゴの労働者が8時間労働制を要求し、人間らしさの回復と安定した生活を求めて起ち上がったことから始まり、世界的に広がっていきました。今日なお、私たちの厳しい闘いは続いていますが、働くものの英知と連帯の力によって、希望がもてる社会を築くために力を合わせていきましょう。

 第80回メーデー万歳!

社会民主党党首 福島みずほ