2009年5月8日
衆議院議長
河野 洋平 様
参議院議長
江田 五月 様
社会民主党全国連合
党首 福島みずほ
オバマ米大統領は4月5日、チェコの首都プラハで演説し、核のない世界の実現に向けた新政策を打ち出しました。旧ブッシュ政権下で核軍縮に背を向け続けてきた米国が、核政策を転換し、核廃絶へ向けて進むことを明言したことは高く評価できます。もちろん核廃絶はたやすく実現できる課題ではありませんが、国際的な核軍縮の障害となっていた米国の政策が変わることに、世界の人々の期待が集まっています。
一方、ヒロシマ・ナサガキの悲惨な体験を持ち核廃絶を国是としてきたわが国は、米国の核政策の一歩先を歩み、米国の政策転換を促すことを期待されながら、残念ながら十分な役割を果たすことが出来ませんでした。むしろ旧態依然の安全保障観にしがみつき、日本の政策が世界の核軍縮の障害ともなりかねない状況ともなっています。
オバマ氏は、決して十分とはいえないながらも、核兵器国としての特権に自ら切り込む姿勢を見せています。日本も米国に追従しながら抽象的な「核廃絶」のスローガンを繰り返すだけではなく、核軍縮に向けたリーダーシップを発揮できるよう、自らの政策自身を根本から見直し、核軍縮の具体的な前進を目指すべきではないでしょうか。
オバマ大統領のプラハ演説を受け、社民党として以下の点について申し入れるものです。
記
1、オバマ演説を受け、核廃絶へ向けた国会の意志をあらためて表明するための方法を検討してください。
2、その際は、米国の消極的安全保証政策への支持を再確認し、米国が他の核保有国と同調して核の先制不使用を宣言することとに反対しないことを明らかにしてください。また米国が大胆な核削減を行なうことに反対しないことを明確にしてください。
3、オバマ大統領が求めているように、日本自身も旧態依然の核抑止への依存を断ち切り、安全保障戦略の中での核兵器の役割を減らす必要があります。具体的には「核の傘」への依存の縮小を求める立場を明確にしてください。
4、日本自身が核兵器保有の意志をもたないことを再確認すべきです。核兵器の不保有をたんなる政策選択の問題にとどめず、「非核三原則」の法制化の検討に着手すべきことを明らかにしてください。
以上