2010年9月14日
社会民主党党首
福島みずほ
本日、民主党の代表選が行われた。その結果、菅氏が引き続き民主党代表となったものの、焦点の国会議員票では、菅氏は412ポイント、小沢氏は400ポイントとなり、小沢氏も一定の評価を得る結果となった。結果それ自体については、他党のことなのであれこれと論評することは差し控えたいと思う。しかしながら、菅政権は鳩山政権を受け継いで発足しており、昨年の総選挙に示された、自民党政治からの転換や、小泉構造改革路線との決別を求めた多くの国民の期待を負っているという原点を改めて確認すべきである。
昨年9月の「連立政権樹立に当たっての政策合意」は、国民の期待が集約されたものである。10テーマ33項目の政策合意の内容を実現するために、現政権が努力することこそ、国民の求めるところであり、新しい日本の政治を切り拓いていくことになる。社民党は、菅政権の新たな出発を注視しており、国民生活の改善に資する政策の実現には協力する用意がある。
沖縄の米軍普天間基地移設問題についての日米合意や閣議決定は、この「政策合意」に反するものであり、社民党としては政権離脱をした。一昨日の名護市議選では、移設反対の稲嶺進市長を支持する市長派が議席を大幅に増やし、議会の過半数を占めることになった。ことし1月の市長選に続き、再び「移設反対」という市民の意思が明確に示されたことになる。この結果、普天間基地の辺野古移設という日米合意の実現は、一層困難になった。名護市民が示した、「政策合意」を大切にし、軍事基地がもたらす負担を軽減してほしいという要求に対して、誠実に向き合うべきである。社民党としては、菅政権が日米共同声明を撤回するよう強く求めていく。
また、代表選でも論戦が行われたが、日本経済は構造的なデフレが進み、失業率は5%にのぼり、加えてドル安にともなう急激な円高が企業収益や中小・零細企業の経営を圧迫し企業の海外移転を促進するなど、きわめて深刻な状況にある。景気の二番底を招来しないためにも切れ目のない経済対策を実施すべきである。国民の求める政策の遂行に停滞は許されない。代表選に伴う「政治空白」を払拭するためにも、国会として経済対策や円高対策、雇用対策、またオスプレイ配備問題などについて真摯に議論できるよう、早期の臨時国会召集を強く求める。
以上