2010年9月17日

菅改造内閣の発足に当たって(談話)

社会民主党幹事長
重野安正

 本日、菅内閣の改造が行われた。菅政権は鳩山政権を受け継いで6月8日に発足したが、9月14日に実施された民主党の代表選を受けて3カ月目で改造されることになった。民主党内を二分した激しい代表選の後で、「挙党一致」とはいいがたい不安材料を抱えた再出発である。菅政権の原点は、昨年の総選挙で多くの国民が、古い自民党政治からの転換や小泉構造改革路線との決別を求めたところにある。参議院選挙でもそのことははっきり示されており、自らの原点をしっかりと確認して政権運営に当たられるよう期待するものである。

 昨年9月の「連立政権樹立に当たっての政策合意」は、国民の期待が集約されたものである。10テーマ33項目の政策合意の内容を実現するために、現政権が努力することこそ、国民の求めるところであり、新しい日本の政治を切り拓いていくことになる。社民党は、菅内閣が改造を機に、この3カ月のブレを糺していくかどうか注視しており、国民生活の改善に資する政策の実現には協力する用意がある。

 沖縄の米軍普天間基地移設問題についての日米合意や閣議決定は、この「政策合意」に反するものであり、社民党としては政権離脱をした。先日の名護市議選では、移設反対の稲嶺進市長を支持する市長派が議席を大幅に増やし、議会の過半数を占めることになった。今年1月の市長選に続き、再び「移設反対」という市民の意思が明確に示されたことになる。この結果、普天間基地の辺野古移設という日米合意の実現は、一層困難になった。名護市民が示した、「政策合意」を大切にし、軍事基地がもたらす負担を軽減してほしいという要求に対して、誠実に向き合うべきである。社民党としては、菅政権が日米共同声明を撤回するよう強く求めていくとともに、11月の県知事選の勝利に全力を挙げる。

  日本経済は構造的なデフレが進み、失業率は5%にのぼり、加えてドル安にともなう急激な円高が企業収益や中小・零細企業の経営を圧迫し企業の海外移転を促進するなど、きわめて深刻な状況にある。景気の二番底を招来しないためにも切れ目のない経済対策を実施すべきである。国民の求める政策の遂行に停滞は許されない。代表選による「政治空白」を早期に払拭し、国会として経済対策や円高対策、雇用対策、またオスプレイ配備問題などについて真摯に議論できるよう、早期の臨時国会召集を強く求める。

以上