2010年12月7日
内閣総理大臣
菅 直人 様
社会民主党
党首 福島みずほ
1967年に佐藤内閣によって提議された「武器輸出三原則」は様々な議論を積み重ねながら強化され、わが国の平和主義を象徴する基本政策として維持されてきた。
一方、本年末までに予定される「防衛計画の大綱」改定に向けて設置された「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」報告書(2010年8月)では、武器輸出三原則が安全保障面の「国際協力の促進の妨げになっている」などとして「見直すことが必要」とするなど、防衛計画の大綱を改定し武器輸出三原則を緩和する方向で議論がすすめられている。
しかし、わが国は非核三原則と武器輸出三原則を国是とすることによって、平和国家としての信頼を獲得し、それを背景にして国際社会における軍備管理・軍縮分野における発言力・影響力を発揮してきたことを忘れるべきではない。武器輸出三原則の見直しは外交上の重大な損失となるだろう。
共同開発した武器を第三国に移転するために日本の武器輸出を可能としたい米政府の思惑や、武器生産からの利益を増やしたい防衛産業界の要請にのって、拙速に武器輸出三原則を緩和するべきではない。武器輸出三原則を見直し規制を緩和することは、日本の外交政策のなし崩し的転換につながるおそれも否定できないのである。
ついては、平和国家たる日本の外交政策の基本理念を堅持する立場から、社民党として以下の点について申し入れるものである。
記
1、武器輸出三原則をわが国の基本政策として堅持すること。
2、国際共同開発・生産の拡大を行なわないこと。
3、防衛大綱の見直しに当たっては、平和憲法の理念にそったものとすること。
以上