社会民主党
1.本日は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから63周年にあたります。主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法は、この63年間、私たちが進むべき方向を示してきました。また、わが国が国際社会から信頼をかちとるうえで重要な役割を果たしてきました。社民党はこれからも、憲法に謳われた理念の実現のために邁進することを、憲法記念日にあたって誓います。
2.昨年の総選挙において、政治の大きな転換がなされました。自民党の長年の驕りに対する批判、国民生活を破壊し続けた「小泉構造改革路線」への国民の怒りが爆発し、社民党、民主党、国民新党の3党連立政権による「新しい政治」が国民の意思によって実現しました。社民党は連立政権下で、「憲法の保障する諸権利の実現を第一とし、国民の生活再建に全力を挙げる」政治を着実に進めています。これまでの新自由主義路線と規制緩和路線で切り捨てられた社会保障や雇用を立て直し、憲法に定められた「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」真の政治を取り戻さねばなりません。この内閣で社民党は、労働者派遣法を派遣業法から派遣労働者の保護法に転換すること、雇用の創出と確保、パートや契約社員の人たちの労働法制の整備をめざして奮闘しています。また、毎年3万を超える人が自殺するという痛ましい状況を変えるために「自殺対策緊急プラン」をつくり、全国に相談窓口を設置しました。国民に安心をもたらす社会保障の整備にも力を尽くします。
3.日本国憲法は、わが国が平和国家として歩むことを定めた国際的な公約です。憲法が指し示す道に沿って進むことにより、他の諸国とりわけアジア近隣諸国の人々から信頼をかちとることができるのです。今年は韓国併合100年を迎えます。かつて日本の植民地支配と侵略により多大な損害と苦痛を与えた人々に対する補償問題を、政府の責務として解決していかねばなりません。また、核廃絶をめざす国際的な動きも大きくなっています。昨年11月の日米首脳会談では、「核兵器のない世界」の実現に向けて連携を強化するとした「核軍縮・核廃絶」共同声明が発表されました。日米間の核密約文書の存在もようやく明確になりました。日本は、唯一の被爆国として今こそ核廃絶運動の先頭に立たなければなりません。一方で、日米安保改定50年の今年、沖縄の米軍基地問題が大きな焦点となっています。連立政権合意では「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」ことが盛り込まれました。今や、住民の意思に反して、軍事基地を押し付けることはできない時代になっています。社民党は、普天間基地を撤去して国外に移し、地域の緊張緩和と軍縮、非核地帯設置のため、ひきつづき努力しています。
4.5月18日には、日本国憲法の改正手続きに関する法律(改正手続法)が施行されます。社民党はこれまで、憲法9条改悪の地ならしをするための憲法審査会を始動させないよう働きかけてきました。これからも、憲法改悪に反対する人々や、国の礎である憲法を軽々しく扱うことに異議を唱える人々と手を携えて、憲法審査会を動かさないよう注視していきます。ひとりひとりの基本的人権が保障される、平和で豊かな日本を次世代にも確実に引き継ぎ、他の諸国民とも更に良好な関係を築き上げていくために、憲法の理念を生かした政治を実現しなければなりません。それが、連立政権の一員としての社民党の重要な責務です。国民の皆さんの願いをしっかりと受け止めて、「新しい政治の品質保証」「いのちを大切にする政治」「生活再建」のために奮起することを、ここに改めて宣言いたします。