2011年3月29日

2011年度予算の成立に当たって(談話)

社会民主党幹事長
 重野 安正

1.2011年度予算案は、本日、参議院で否決され、その後両院議院協議会を経て、憲法の規定に基づき、衆議院の議決通り成立した。政府・民主党は参議院で否決されたことの重みを真摯に受け止めるべきである。

2.社民党は、一昨年の三党連立政権の「政策合意」を実現する立場から、2011年度予算についても政府・民主党と編成協議を行い、雇用、年金・医療・介護、地方財政、子育て、総合交通などの分野において、わが党の提言を相当程度予算案に盛り込むことができた。しかし、菅内閣が「元気な日本復活予算」と位置づけている2011年度予算案は、「国民生活が第一」からの乖離を強め、全体として新自由主義的な回帰を志向したものとなっている。また、法人税5%減税、成年扶養控除の縮減、国民健康保険料の負担増や沖縄の基地関連事業など、社民党の求めた6項目の修正項目も受け入れられなかった。特に、今次の大震災及び原発事故を受け、必死で震災に遭われた皆さんの生活再建、地域復興のために、例えば、高速道路の無料化や子ども手当ての上乗せ分など、不要不急の予算を削減し、大胆に予算の組み替えをすべきだったが、そういう対応もなされなかった。したがって、社民党は、2011年度政府予算案には反対した。

3.国民生活等への影響を真剣に考え、つなぎ法案には賛成したが、国税・地方税や子ども手当の今後の取り扱いについては、震災復興のための財源捻出も見据えて、たとえば法人税減税の見送りなど、社民党をはじめとする野党の意見や提案を真摯に受け止めるべきである。

4.後半国会に向け、社民党は、労働者派遣法改正案や郵政改革関連法案の審議・成立を求めていくが、同時に、喫緊の課題は、未曾有の国家的危機である東日本大震災及び福島第一原発事故の対応である。政府・与党は虚心坦懐に全政党の協力体制を構築するとともに、2011年度予算の予備費の活用や「埋蔵金」の活用、主要施策の見直し、原子力関係予算の組み替え等も含めて、当面10兆円規模の補正予算を迅速に編成するなど対応に万全を期すべきである。あわせて、被害の状況を踏まえつつ、必要な法制上の措置を講じるための緊急立法を行うよう強く求める。社民党は今後とも、「いのちを大切にする政治」の原点に立って、震災復興及び被災者支援、国民の生活再建に向け、全力を挙げる。

以上