2011年7月25日

2011年度第二次補正予算の成立に当たって(談話)

社会民主党幹事長
重野 安正

1.本日、参議院本会議で2011年度第二次補正予算が可決・成立した。今回の補正予算は、菅総理の退陣の条件づくりのために、当初「一・五次」と言われていたものを「二次補正」としたことから、規模・内容ともに不十分なものとなり、時期的にも中途半端なものとなった。しかし、第二次補正予算そのものについては、自治体支援の強化(地方交付税増額)、被災者生活再建支援金の国庫負担引き上げ、原子力損害賠償に関する政府補償契約に基づく補償金支払い、福島県「原子力被災者・子ども健康基金」、放射線モニタリング強化経費、除染ガイドライン作成等事業費、福島県外も含めた校庭等の放射線低減事業費など、社民党の提案もある程度盛り込まれており、被災地及び被災者のために緊急対応すべきものも多いことから、賛成の態度で臨んだ。

2.いわゆる二重ローン問題については、「せめてゼロからの再出発」ができるように、根本的な解決が求められているが、きわめて不十分である。また、中小零細企業の復興対策も、共同利用施設に限定されたり、複数事業者による計画作成・認定が条件とされたりするなど、使い勝手が悪い。第一次補正で経済危機対応・地域活性化予備費を8100億円減額しながら、東日本大震災復旧・復興予備費8000億円を設けることも、帳尻合わせ・朝令暮改の感が否めない。

3.原子力損害賠償支援機構法関係経費として、機構の設立出資に70億円、交付国債の償還財源に係る利子負担200億円が計上されているほか、予算総則において、機構に資金拠出するための交付国債の発行限度額2兆円の設定及び政府保証枠2兆円の設定が行われている。地域独占の東電のビジネスモデルが維持され、賠償負担が将来の電気料金引き上げに付け回しされるという政府のスキームを支えるものであり、問題が多い。賠償に当たっては、まず東電の現有資産によって行うとともに、株主や債権者等の負担も求めるのが先である。

4.引き続き、くらし、まち、政治、経済、社会のあらゆる場面での「人間復興」を目指した取り組みが求められている。被災者一人一人の生活再建をはじめ、被災地の本格的な復興を支援するための第三次補正予算に向け、自治体間支援の強化や「災害一括交付金」・「震災復興基金」の創設、がれき処理の速度を上げるための国の人的・財政的支援の強化、被災者生活再建支援制度の拡充強化、災害復旧事業についての積み増し・上乗せ、被災地域の再生に必要なインフラ整備予算、被災したバス・鉄道など公共交通の復興支援、復興のためのまちづくり関係予算、液状化・盛土崩壊等により被災した宅地の復旧対策、被災地の雇用対策の強化、放射性がれきや放射性汚泥対策、食品安全対策、広域避難者支援等の課題についても、実現を求めていく。

以上