2011年8月17日

北海道電力泊原発3号機の営業運転に反対する(談話)

社会民主党
党首 福島みずほ

 本年3月以来、異常ともいえる長期の調整運転を続けていた北海道電力泊原発3号機(泊村)について、北海道の高橋はるみ知事は、本日午後に記者会見を開き、営業運転への移行容認を正式に表明した。

 福島第一原発事故の後で、原発の営業運転を再開するのは、全国で初めてのことである。経済産業省は5ヵ月にも及ぶ調整運転を続けたうえ、「すでに稼働中であり、再稼働ではない」などと詭弁を弄し、住民の不安の声を押し切って、正式な営業運転再開に踏み込んだ。

 福島第一原発事故によって、従来の安全対策の不備が明らかになり、原子力安全指針や耐震基準の見直しが求められているなかでの、営業運転再開は断じて認められない。本来、調整運転を直ちに停止し、厳格な安全確認をこそ優先させるべきである。

 福島第一原発事故がいまだ収束せず、原因も十分に究明されず、多くの人々が重大な被害を被っている最中に、一方では玄海原発の運転再開について九州電力や佐賀県知事、原子力安全・保安院による「やらせ」世論作りが発覚している。そのような状況下で、営業運転の再開を認めることは常識ではありえない。泊原発の周辺住民ら38名が、安全対策が不十分として営業運転再開の差し止めを求めて札幌地裁に提訴していることもふまえ、福島第一原発事故の収束と検証、安全規制体制や安全指針の見直しと対策の完了、地域住民の同意と安心をこそ、最優先すべきである。

 社民党は、泊原発3号機の営業運転再開のごり押しをはかる北電、経産相と、これを追認する北海道知事に対して強く抗議し、脱原子力と自然エネルギーへの転換を求める取り組みをいっそう強めていく決意である。

以上