2011年11月21日

2011年度第3次補正予算の成立に当たって(談話)

社会民主党幹事長
                                    重野 安正

1.東日本大震災からの本格復興に向けた2011年度第3次補正予算がようやく本日の参議院本会議で、可決・成立した。被災者ひとりひとりの生活再建と被災地の復興を支援するためにも、本格的な補正予算を早期に提出することが求められていたにもかかわらず、菅内閣の延命のための第2次補正予算が割り込み、その後も菅首相の辞任と野田首相への交代などの政局によって、復興支援のための第3次補正予算が遅れに遅れたことは厳しく指弾されなければならない。

2.歳入の分野では、復旧・復興対策の規模を5年間で19兆円、2020年までの10年間で23兆円としたが、阪神淡路大震災の3倍という額が適当なのか、積算もラフすぎるのではないか、社会的インフラ整備については、建設国債の追加発行で対応すべきではないか、税外収入についても、一般会計からの国債整理基金特会への繰入9.8兆円の一部停止、基金による今年度分の買入償却の残額分2兆円の停止、巨額の外貨準備の一部活用など、もっとあらゆる方策を真摯に検討すべきではなかったのか。

3.また、補正予算の歳入の太宗を占める復興債の償還財源として、所得税・法人税の付加税が予定されている。しかし、復興法人特別税は法人税の実効税率5%引き下げ等が前提であり、期間も3年間に過ぎず、その後は減税超過になる。一方、不公平税制の徹底是正がないまま、所得税増税や住民税の均等割の増税といった安易な庶民増税を行うなどの問題がある。

4.社民党は、自治体間支援の強化や「災害一括交付金」・「震災復興基金」の創設、がれき処理の速度を上げるための国の支援の強化、災害復旧事業についての積み増し・上乗せ、被災地域の再生に必要なインフラ整備予算、公共交通の復興支援、復興のためのまちづくり関係予算、被災地の雇用対策の強化、放射性がれきや放射性汚泥対策、食品安全対策、広域避難者支援等とともに、台風被害対策や円高・中小企業対策の強化を求めてきた。歳出には、震災復興特別交付税や震災復興交付金、がれき処理や除染経費、福島県の基金、雇用対策経費、三陸鉄道支援、森林・林業対策、B型肝炎関係経費などが盛り込まれており、問題点もなしとはしないが、復興支援、台風被害対策、円高対策の促進の観点から賛成する。

5.大震災から8ヵ月が過ぎ、被災地はもう寒い冬である。復興の槌音は聞こえはじめてはいるが、足取りは遅々としている。社民党は、政府に対し、大震災からの復興と原発事故収束にこそ全力を上げるよう求めるとともに、被災地で進められている「人間の復興」を目指した取り組みに党を上げて連帯し全力で支援していく。

以上