2011年5月3日
社会民主党
1.本日は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから64周年にあたります。主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法は、この64年間、私たちが進むべき方向を示してきました。また、わが国が国際社会から信頼をかちとるうえで重要な役割を果たしてきました。社民党はこれからも、憲法に謳われた理念の実現のために邁進することを、憲法記念日にあたって誓います。
2.3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震と大津波は、東日本の広範な地域に未曾有の被害をもたらしました。そのうえ我が党が懸念した事態が、東京電力福島第一原子力発電所に於いて現実のものとなり、放射能汚染と風評被害による深刻な問題が生じています。放射能汚染の拡大は、憲法が定める「生存権」を広範囲に侵害し、「幸福追求権」や「勤労権」、「教育権」をも脅かしています。今こそ「生存権」の回復をしなければなりません。社民党は、被災者を支援する活動にいっそう力を注ぐとともに、原発事故の速やかな収束と「脱原発社会」をめざす運動を広げていきます。
3.大震災という困難な時だからこそ、憲法の条文にある様々な権利を保障することを真摯に追求すべきです。現在、多くの人がこれまでの価値観やライフスタイルを問い直し、政治・行政・経済・社会のありようを変えていこうとする機運が生まれ始めています。今後、復興段階においては、大規模開発を最優先した「創造的復興」によって弱い者を切り捨てるのではなく、被災者が主体となり住民の生活再建と地域の再生をはかる「人間的な復興」をめざしていかなければなりません。社民党はそのための基本を憲法に据え、「いのちを大切にする政治」の原点に立って、被災された皆さんの声をしっかり受けとめ、雇用・福祉・くらし・農林水産業などの再建施策に全力を注ぎます。
4.昨年5月には、「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(改憲手続法)が施行されました。衆議院だけでなく参議院においても憲法審査会の規程を定め、いつでも憲法改悪を発議しようとする動きは続いています。社民党は、日本が進むべき道を見失うことのないよう、憲法改悪に反対する人々とともに、憲法審査会を始動させようとする勢力への警戒を強めます。
5.戦後、日本は平和憲法を国の基本に据えて歩んできました。憲法が指し示す道に沿って進むことにより、他の諸国とりわけアジア近隣諸国の人々から信頼をかちとることができます。社民党は、「武器輸出三原則」の見直しをさせないよう政府に働きかけてきました。また、日本にある米軍基地の7割以上が集中している沖縄をはじめ全国で、ひきつづき在日米軍基地の整理・縮小・撤去や日米地位協定の改定をめざします。
6.今回の大震災によって、人々の中に生まれ、再確認された人と人の絆の大切さ、希望を持つことの大切さを現実の政策につなげながら、私たちが誇る平和憲法を基本にし、東北の再生、ひいては日本の再生を実現するべく邁進していきます。
以上