2011年5月26日
文部科学大臣
高木 義明 様
社民党党首 福島みずほ
4月19日、文部科学省は、「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を発出した。子どもたちの健康に大きな影響を与える、本基準については、極めて問題があると断じざるを得ない。
まず、文部科学省が「これを上回る線量を受けることは不適切と判断されるが、合理的に達成できる範囲で、線量の低減を図ることとされているレベル」とする「参考レベル」を児童生徒に適用することは問題である。
また、校庭・園庭で3.8μSv/時間未満の空間線量率が測定された学校については、校舎・校庭等を「平常どおり利用できる」という判断も、3.8μSv/時間という数値自体が高い放射線量であることをかんがみれば、不適当である。
福島県下の学校に通う子どもたち、またその親からは、不安を訴える声が大変大きく、これまで3回にわたって院内集会も行なわれてきた。文部科学省として、この不安の声に応える必要がある。
将来のある子どもたちの健康と将来を守るために、学校・園庭における放射線量の基準を厳しく設定したうえで、国は、より一層、放射線量を低減するための努力を重ねる必要があると考える。
以上を踏まえ、社民党は、下記について要請する。
記
一、 福島県下の学校等の校舎、校庭等の利用判断については、「非常事態収束後の参考レベル1−20mSv」という暫定基準を撤回し、新たな通達を出されたい。
一、 子どもの被曝量を最小化するために、政府の責任で、土壌除去・除染、汚染物質の廃棄など、あらゆる措置を行なうこと。
一、 福島県下の児童生徒たちについて、内部被ばくを含めた被爆放射線量を計測されたい。
一、 厚生労働省とも協議し、福島県下の児童生徒たちについて、今後、30年以上の長期にわたって、定期的に健康調査を実施されたい。
以上