2011年12月8日
国土交通大臣
前田 武志 様
社会民主党私鉄対策特別委員会
委員長 福島みずほ
事務局長 中島 隆利
貴職の平素からの交通・運輸産業行政に関わるご尽力に敬意を表します。
東日本大震災では、地域交通のインフラ施設が激しい被害を受け、沿岸部を中心に鉄道、バス、タクシー、トラック、空港、港湾などが壊滅的状況に陥りました。その中で、交通運輸事業者及びそこで働く労働者は、自らも被災しながら、被災地の足を守ろうと、復旧・復興に向け、懸命に努力されているところです。
交通は、人の移動と物の輸送を担う重要な生活基盤であり、被災地の復旧・復興を進めるためにも、地域公共交通機関の再建が不可欠であり、国としても特別な支援措置を講じる必要があると考えます。
つきましては、下記の事項について実現方、強く要請いたします。
記
1.地域公共交通確保維持改善事業の改善・拡充
地方の少子高齢化等による過疎化や、存続が危機に瀕している生活ネットワークについて、民間事業者の努力だけでは維持に限界がある。生活交通の存続が危機に瀕している地域等において、地域の特性・実情に最適な移動手段が提供され、また、バリアフリー化移動に当たっての様々な障害の解消等がされるよう、新たに創設された、地域公共交通確保維持改善事業のさらなる改善・拡充を図ること。
2.被災地のバス路線の復旧支援について
今回の大震災により、宮城交通では、気仙沼営業所、岡田営業所、石巻営業所、古川営業所で全壊や大規模損壊、車両損害が発生した。また、岩手県交通でも、大船渡営業所、高田バスターミナルが全壊するなどの被害があった。他方、バス路線の復旧については、特に学校関係者から子どもたちの足を確保したいという強い要望も受け止め、仮設営業所等で早期に再開したという経緯もある。バス車両の流出や営業所等の全壊等、甚大な被害を受けている中、生活路線を運行するバス事業者のため、優遇税制の適用や財政支援策の強化を図ること。特に、被災・流失した営業所に代えて借地に仮設営業所で営業している事業者にとって、借地料が経営を圧迫している実態にあることから、特別の支援や助成を講じること。また、全国各地から支援を受けたバス車両について、暖房設備や燃料の凍結防止など寒冷地仕様に改造する費用への支援策を強化すること。
3.休業期間の損失補償
被災した各交通運輸機関が、被災から事業を再開するまでの休業期間の損失について、一定の補填・補助を行うこと。また、人流・物流を問わず輸送・運送需要が急激に減少しており、特に小・中規模事業者の経営環境は危機的な状況に陥っている。関係する事業者への営業補償や資金繰り対策をはじめ、雇用の維持・安定に向けた対策を講じること。
4.鉄道災害復旧補助制度の抜本見直し等
自然災害により被災した鉄道事業者に対する鉄道施設安全対策事業費等補助の要件緩和や対象拡充など、抜本的見直しを行うこと。特に、台風12号によって、三岐鉄道や大井川鉄道などで甚大な被害が発生していることから、橋脚や道床など鉄道施設の災害復旧期間のバス代替輸送に対する助成を行うこと。
以上