2012年1月13日

野田改造内閣の発足に当たって(談話)

社会民主党党首
福島みずほ

 

 本日、野田首相は内閣改造を行った。この改造は、昨年末の参議院において問責された2閣僚の更迭であるにもかかわらず、まるで更迭ではないかのようにカモフラージュした結果、合計5名もの閣僚が交代することとなった。問責決議可決という参議院の意思を踏まえた閣僚交代は当然だが、問責を受けていないにもかかわらず短い任期で交代する閣僚もあり、野田首相が「適材適所」としていた任命責任が問われるのではないか。政権交代以降、首相のみならず、何度も閣僚が交代する事態では、政治主導を実現するには程遠い。このような交代が必要であったのか、極めて疑問である。

 また内閣改造の結果、野田政権は、国民の生活を破壊する消費税増税にひた走る内閣へと変貌した。非正規雇用が4割に達しようとしている社会の中で、この間の政治によって壊されてきた国民の生活は、全く再建されていない。このような状況で消費税増税を強行することは、国民生活の崩壊しかもたらさないと考える。にもかかわらず、消費税増税へとひた走る野田政権の姿勢は極めて問題である。社民党は、公の場において野田政権との議論を求め、その議論を国民に明らかにすることによって、消費税増税の動きに歯止めをかけていく。

 政府が閣議決定した第三次男女共同参画基本計画において、政治分野での女性の参画を進めることが明記されている。今回の内閣改造によって女性閣僚が1名のみとなってしまったことは、極めて問題である。また、政権交代以降、消費者問題、少子化問題、男女共同参画など、人々の生活に大きな影響を与える分野の担当大臣が頻繁に替わっている。野田首相自身、このような生活に密着する問題に無関心であり、野田政権が生活軽視内閣であることのあらわれである。

 野田改造内閣は、被災地の復興、原発事故への対応、増加する非正規雇用労働者の待遇改善、社会保障の建て直しなどにしっかりと取り組み、「国民の生活が第一」という原点に立ち返るべきである。また、辺野古への新基地建設を認めないという沖縄県民の側に立って、日米合意の白紙撤回と辺野古移設断念こそ求めるべきである。社民党は、生活再建や「人間の復興」の実現、脱原発を基軸にし、切に生活の安定を求める国民の思いを受け止める政党として、来る通常国会に臨んでいく決意である。

以上