2012年6月4日
社会民主党
幹事長 重野安正
1.野田首相は本日、「内閣の機能強化」のためと称して内閣改造を断行した。今年1月13日に行った内閣改造について、社会保障・税一体改革の実現に向け、「最善かつ最強の布陣」と強調していたにもかかわらず、半年もたたない国会会期中の異例の改造となった。5閣僚が入れ替わるが、新閣僚が職責を果たすのにふさわしいかどうか、しっかりと国民目線で検証していく。
2.社民党は、参議院の問責決議を受けた田中防衛相と前田国交相の交代を求めてきたが、対応があまりにも遅すぎる。参議院の意思を無視し、ここまで問責閣僚の問題を放置し、1か月以上も国会を事実上空転させ、法案審議を停滞させた責任は大きい。問責閣僚の交代を機に、正常化が図られ、国民の前での論戦ができることに期待する。しかし、政局優先で法案審議を滞らせておきながら、今後、時間がないからとして、拙速・強引に国会運営に臨むことは認めない。
3.内閣発足当時「適材適所」としていた鹿野農水相、任命から半年もたたない小川法相も交代した。中国大使館1等書記官をめぐる情報漏えい疑惑や、弁護士報酬問題、国会競馬サイト閲覧問題等への野党の追及の高まりに対する疑惑隠しにほかならない。交代で終わり、ではなくきちんと説明責任を果たすべきである。
4.防衛大臣に民間人の森本敏拓殖大大学院教授を起用したことは、まずもって民主党の人材不足を露呈している。森本氏は、田中防衛相より安全保障政策には詳しいものの、防衛大臣は国の安全保障を担う政治的に重要なポストであり、普天間問題の解決をはじめとする重要課題が山積している中、民間人出身では心許ない。また、森本氏は集団的自衛権行使容認の発言を繰り返すなど、安全保障政策がタカ派的になりかねないことも懸念される。
5.今回の再改造は、消費増税をなんとしても実現するため、自民党の要求をのみ、社会保障と税の一体改革関連法案に関する修正協議につなげようとするためのものである。野田政権が「国民生活が第一」を唱える党内との融和路線に見切りを付け、自民党との協調路線に舵を切ったことは、3年前の政権交代自体がなんだったのかということになる。野田首相は消費税増税に命をかけるのであれば、採決前に国民に信を問うのが筋である。社民党は、消費税増税、原発再稼働、TPP参加を阻止するとともに、大震災からの復興と国民の生活再建に全力を上げる。
以上