2012年8月7日

野田内閣不信任決議案と首相問責決議案の提出に当たって(談話)

社会民主党幹事長 重野安正

1.本日17時、自民党・公明党を除く野党6党は幹事長・書記局長会談を開き、その後、共同して野田内閣不信任決議案を提出した。大会派以外の政党・会派が共同して不信任決議案を提出したのは、憲政史上初の画期的なものである。また、参議院側でも野党7会派が国対委員長会談を開き、問責決議案を提出する方針を確認し、18時に野田内閣総理大臣問責決議案を提出した。

2.今回の不信任決議案及び問責決議案は、この間、民自公3党による国会運営の壟断を許さず、国民の多くが反対する消費税増税法案の採決を阻止するための共闘を積み重ねてきたところから、民主党野田政権が進めようとしている、消費税増税法案の阻止一点にしぼっている。国民生活と日本経済を壊す消費税増税は、民主党の政権公約にも違反するもので、国民の多くが反対しており、こうした声に背く野田内閣は信任に値しないのは当然である。

3.加えて、社民党は、以下の点においても、もはや野田政権の正統性が失われていると断ぜざるを得ないと考える。

 一つ目に、2030年までに原発ゼロを求める意見が約7割を占め、東京電力福島第1原発事故を受けた「脱原発」の世論の広がりが鮮明になっているにもかかわらず、3.11の教訓を顧みず、大飯原発をはじめとする原発の再稼働に固執するとともに、原子力規制委員会人事において、現在までの原子力推進政策に関与していた立場にある、明らかに「原子力ムラ」の人間を起用しようとしていること。

 二つ目に、沖縄県民の総意である普天間基地の県外・海外移設を踏みにじり、あろうことか、国民がやめてくれと叫んでいる危険な「オスプレイ」の配備を強行せんとしていること。

 三つ目に、財界とアメリカの利益のために、農林水産業に打撃を与えるだけでなく、暮らしや社会に大きなリスクをもたらすと懸念されているTPPを推し進めようとしていること。

 四つ目に、自公政権が進めてきた新自由主義政治の転換を訴えて政権についた民主党が、政策転換どころか、2009年の総選挙で掲げた「国民の生活が第一」のマニフェストの放棄をつぎつぎに進め、震災復興増税と法人税減税、憲法審査会の始動、日米同盟強化と武器輸出三原則の緩和、公務員給与の大幅削減など、本来やるべきことをやらずに、自民党政権がやりたくてできなかったことをやることで、政権交代への期待を無にしてしまい、「政策による政党・政権の選択」という政党政治の信頼自体も損ない政治不信を募らせてしまったこと。

 そして何よりも、官邸前に結集している大きな国民の怒りの声を、「音」としてしか認識できないこと。

4.不信任決議案・問責決議案は、最優先の課題として取り扱うべきである。社民党としても、消費税増税法案をはじめとする野田政権の悪政をストップさせ、不信任決議案・問責決議案の早期採決・成立を期すために全力を上げる。消費税増税を実施したいのであれば、総選挙を行ってそれを訴え、民意を問うべきであるのが憲政の常道であり、堂々と国民の信を問うべく、解散・総選挙に追い込む決意である。

以上