2012年12月26日

安倍新政権の発足にあたって(談話)

社会民主党党首 福島みずほ

 本日、第182特別国会が召集され首班指名選挙が実施された。社民党は、衆議院では福島みずほ党首に投票した。また参議院では、最初の投票で過半数を獲得した者がいなかったために決選投票となった。社民党は、第1回は福島党首に、決選投票では白票を投じた。投票の結果、自民党の安倍晋三氏が第96代の内閣総理大臣に選出された。

 先の総選挙で自民党は大勝し、3年3ヶ月ぶりに政権に返り咲くこととなったが、自民党の政策が支持されたものではなく、国民はかつての自公政権時代への回帰を望んでいるわけではない。小泉構造改革以来の格差拡大や米国追従路線に対する国民のノーの審判は、2009年の総選挙で下っている。新政権には、弱者を切り捨てることのない経済・景気対策や雇用対策を打ち出していくよう求める。

 「戦後レジームからの脱却」を企図する安倍首相は、「国防軍の保持」や改憲発議要件を緩和する憲法96条の「改正」、集団的自衛権の行使を想定した「国家安全保障基本法」の制定に強い意欲を示している。日米軍事同盟を強化して「戦争できる国づくり」を進めようとする安倍・自民党政権に、社民党は真っ向から対決し憲法改悪の阻止に全力を尽くす。

 「脱原発」も大きく後退しようとしている。安倍・自民党政権は、これまで原子力政策を推進してきた責任を省みることなく、原発の新設・増設に前向きな姿勢を示している。新政権は、国民の多数がのぞむ「脱原発」に明確に舵を切るべきだ。それがこれまで原発を推進し、原発事故を引き起こしたことに対する国民への謝罪でもある。

 第一次安倍内閣では、いわゆる「消えた年金」問題が発覚し、この問題に十分対応することなく政権を投げ出した経緯がある。消費税増税ばかりが先行し、社会保障を置き去りにすることは二度と許されない。また、普天間飛行場の移設問題では「日米共同声明」に沿って辺野古へ移設する考えを示しているが、沖縄への基地の固定化は許されない。「最低でも県外」「オスプレイの強行配備反対」という沖縄県民の民意は揺るぎないものであり、安倍新政権はまずこの民意に正面から向き合わねばならない。

 社民党は、次期国会で安倍新政権が打ち出す悪法を、他の野党とも協力して阻止していく。総選挙で掲げた「生活再建―いのちを大切にする政治」をめざし、@脱原発A消費税増税廃止BTPP反対C憲法改悪の阻止Dオスプレイ配備・低空飛行訓練の撤回という国民との約束をしっかりと果たすために、国会の内外で奮闘する決意である。

以上