新年のメッセージ

 

 明けましておめでとうございます。

 昨年は、3月11日に東日本大震災、福島原発事故が起こりました。今なお、多くの皆さんが避難され、また様々な思いを抱えていらっしゃいます。今年は、その皆さんの思いに寄り添いながら、様々な復興施策を力強く推し進めるとともに、脱原発への転換を着実にはかって、東日本の再生、日本の再生を実現していく年にしなければなりません。

 一方、国会では、衆参の「ねじれ」から、国会の運営は必ずしも良い方向に向かっていません。雇用や地方の再生については対策がすすまず、2009年に政権交代を実現させた市民の思いからかけ離れた施策がすすんでいます。

 その第一が「税と社会保障の一体化改革」の問題です。社民党は、一貫して、「公平・透明・納得・連帯」の原則にのっとって、税制、社会保障政策をすすめ、所得の再配分機能を強化することが必要だと考えています。

 野田政権は、この改革によって消費税率引き上げを行なおうとしています。社民党は消費税率の引き上げに反対です。人々の生活は大変厳しい状況が続いています。労働者派遣法の改正においても、社民党が民主党、国民新党とまとめた法案から相当後退した法案が自民、公明、民主の協議によって出てきました。派遣労働者の数が増え、生活が一層不安定になっているにもかかわらず、消費税で負担が増えれば、格差をより拡大し、生活を破壊するだけです。所得税は、この30年間高所得者の税率をフラット化してきましたが、その最高税率を引き上げていくことが必要です。また扶養控除などの見直し、老齢控除の復活など、個人をしっかり支える見直しが必要です。

 原発事故は、被災地の人々に避難生活を強い、飛散した放射性物質との闘いに日々苦しめられる地域を生みだしました。多くの犠牲を払う危険性が明らかになった今、脱原発こそが私たちの進むべき道です。日本で運転されている原発は7基。これらすべてが止まっても電力需要をまかなうことはできるのです。原発事故に脅える生活ではなく、全国で再生可能エネルギーへの転換を力強く推し進めながら、雇用や生活を豊かにしていきましょう。

 憲法の問題も重要です。昨年は、衆議院、参議院ともに憲法審査会が作動しました。自民党からは、2012年春までに憲法改正案をまとめるという情報も出てきています。震災や原発事故を経て、生存権や幸福追求権が侵害される人々が多い中で、今こそ、憲法価値を実現する政治が必要です。

 人と人の絆を大切に、誰もが働き、安心して生活できる、将来設計ができる社会のために、今年も社民党は邁進いたします。ともにがんばりましょう。

2012年 元旦

社民党党首  福島みずほ
福島みずほ