2012年5月25日
内閣総理大臣 野田 佳彦 様
文部科学大臣 平野 博文 様
社会民主党
党首 福島みずほ
福島原発事故の教訓として、国は緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク(以下、SPEEDIとする)を有するにもかかわらず、放射能の影響がどの範囲に広がっているのか、国民に迅速に情報を伝え、説明することができなかったことが挙げられる。
政府は現在、大飯原発の再稼働について検討している。福島原発事故の結果から鑑みるに、大飯原発で原発事故が起きた場合、原発立地県の福井県だけではなく、周辺の京都府、大阪府、滋賀県、岐阜県など周辺自治体にも放射能の影響が及ぶことは明らかである。このような現状に対して、各自治体が、その市民の命と健康を守るために、最大限の努力をするべく奮闘している。国は、このような自治体の動きをできる限り支援することが必要だと考える。
2012年3月14日の参議院予算委員会において、平野博文文部科学大臣は、SPEEDIの計算について、「地元の自治体の、それぞれの自治体の要請に応じてするものでございます」と答弁している。続いて4月10日発の質問主意書答弁書によると、「文部科学省は、平成24年3月5日に、滋賀県からSPEEDIの試算結果の提供について要望を受けている」とし、「当該試算については準備中であるため、結果はまだ滋賀県には提供していない」と答弁している。ところが、5月15日になって、再度の質問主意書に対し、「滋賀県は『原子力施設等の防災対策について』における『防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲』に係る地方公共団体からの要望を念頭に置いたものであり、滋賀県要望はこれに該当しない」と答弁している。滋賀県民を愚弄する答弁を続けていたとしかいいようがない。
以上を踏まえて、社民党は、下記を申し入れる。
記
一、 原子力施設が存在する19道府県すべてについて、約90キロ四方の範囲でのSPEEDIの予測結果を公表すること。
一、 滋賀県を含め、さまざまな自治体からSPEEDIの計算を求められた場合には、SPEEDIの計算を行い、公表すること。
以上