2012年5月25日
内閣府特命担当大臣
中川 正春 様
社会民主党
党首 福島みずほ
2012年5月6日に茨城県等において発生した竜巻等の被害調査のため、社民党は5月16日に調査団(団長:重野安正幹事長)を、茨城県つくば市北条地区ならびに大砂地区に派遣しました。被災された住民の方や被災自治体などから要望を頂戴しましたので、政府において下記の対策に万全を期していただきますよう要請いたします。
記
@「被災者生活再建支援法」の認定基準に関し、「竜巻」被害の現状に合っていないので、支援金の給付対象に半壊世帯や一部損壊世帯を追加するなど、地域の実情を踏まえ柔軟に対応すること。
A「災害救助法」における被災家屋の応急修理制度が、使いづらいとの指摘がある。修理後に現金給付を行うなど、改善を検討すること。
B大砂地区では、茨城県内一のブランド米である“北条米”を栽培しているが、その水田に無数のガレキやガラス片が散乱しており、その撤去はボランティアが実施している状況であった。また、竜巻によるビニールハウスの倒壊など生産施設の被害は、農業被害全体の半分以上を占めている。被災した農業用施設の再建のため、4月に創設した「豪雪・暴風雨等により被災した農業者等への支援策」を適用し、災害関連資金の無利子化、農業用ハウス等の再建・修繕への助成、水稲等の苗の確保への助成など農業者の再建支援を強化すること。
C今般の竜巻被害においては、東日本大震災と二重被災した地域でもあり、二重ローン支援策など東日本大震災の復旧・復興に導入したスキームを柔軟に活用すること。また、中小企業や商店街についてもグループ補助金の支給など、財政的な支援を行うこと。
D「気象業務法」等を見直し、「警報・注意報」は現場の判断ではなく“原則公開”を検討し、迅速な情報提供システムを構築すること。
E普通交付税の6月定例交付分の一部が前倒しで交付されたが、引き続き被災自治体に対する財政支援を検討すること。
F被災地から、「今般の竜巻被害は、これまでの制度では対応できない局所的な災害だ」との声があった。ついては国の防災基本計画や、5月18日に改正案が閣議決定された「災害対策基本法」など災害関連法制全般に関し、「竜巻」対策を念頭に入れた的確な改定を行うこと。また、復旧・復興においては、コミュニティの維持を前提に、きめ細かい支援を講じるとともに、老人ホーム入所者や一人暮らし・寝たきりの高齢者・障がい者等のいわゆる災害弱者対策について一層の体制整備を図ること。
G「改正災害対策基本法」において、「住民の責務」が強化されている。今般の竜巻被害でも雇用促進住宅に住まう高齢者が多く被災し、特に北条地区は65歳以上の住民が3割近くを占める高齢化地域であることから、“自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに、自発的な防災活動への参加、(略)防災に寄与するように努めなければならない”とする第7条における「住民の責務」に関し見直しを検討すること。
以上