2012年5月15日
社会民主党
1. 本日、沖縄県は本土復帰40周年を迎えた。しかし、県民が願った「平和憲法の下で基地のない平和な沖縄を取り返す」という、本当の「復帰」は果たされていない。在日米軍基地の74%が沖縄に集中する事実は何ら変わらず、基地から派生する騒音・環境被害の激化や、日米地位協定による治外法権の横行によって、今日も県民の人権と生命が侵害され続けている。また、沖縄返還をめぐる日米両政府の密約が明らかにされた事や、米軍人・軍属による事件・事故の多発は、日米安保体制の維持と引き換えに、復帰40年を経た現在も沖縄が切り捨てられていることを証明している。沖縄の人々の心と願いはずっと踏みにじられたままである。
2. 政府・民主党は政権交代時の公約を豹変させ、詭弁と迷走のあげく普天間基地の辺野古移設を「日米合意」した。それが行き詰まると、普天間基地の移設をパッケージから切り離し、米海兵隊のグアム移転を先行させることで米政府と合意し、日米安全保障協議委員会(「2+2」)による「日米共同文書」には、代替施設運用までの普天間基地の補修事業が盛り込まれた。「普天間返還」の沖縄県民の総意を一顧だにせず、県内たらい回しのあげくに普天間基地の固定化を画策する日本政府の姿勢は、厳しく批判せねばならない。
3. また、基地と引き換えにこの間の政府が垂れ流してきた補助金は、むしろ沖縄の経済的自立を後退させてきた。基地経済依存は減少してきたものの、依然として県民所得は全国平均をかなり下回り、失業率も全国最悪水準が続いている。政府は、使途の自由度が高い一括交付金制度を創設し、経済的自立を促そうとしているが、その見返りに基地の固定化を押付けるのは言語道断である。産業の誘致や育成にとって、基地の存在が阻害要因であり、政府は沖縄振興に取り組む姿勢を抜本的に改めるべきである。
4. 自民党や改憲派新党などの憲法改悪への策動に加え、米国追従・日米同盟深化路線へと回帰する野田内閣によって、沖縄にさらに大きな犠牲が強いられようとしている。辺野古新基地建設、高江ヘリパッド建設、普天間飛行場へのオスプレイ配備、「南西諸島防衛」を名目にした沖縄自衛隊基地の増強など、沖縄の基地固定・強化への暴挙は断じて容認できない。県民の声に真摯に耳を傾けず、沖縄への差別と蔑視を繰り返す政府の姿勢に、理解も合意も得られないことは当然である。
5. 長い間犠牲にされてきた沖縄県民の人権と生命の安心を、一刻も早く取り返さなければならない。社民党は、野田内閣・政府と断固対決する。沖縄県民の心に寄り添い、全国の仲間と固く連帯し、米軍基地の整理・縮小・撤去、経済的自立、日米地位協定の全面改正に全力をあげる。憲法改悪を阻止し、「平和憲法下への復帰、基地のない沖縄」の実現に取り組む決意である。
以上