本日、成人の日を迎えられたみなさん、こんにちは。
私たち社民党は、21世紀の社会が平和で希望に満ちたものであることを心から願い、その社会を創造するみなさんのはかりしれない可能性に、大きな期待をよせています。
しかし、いまの社会構造は若者に冷酷で、とりわけ雇用の破壊は人間らしい暮らしを奪っています。若い世代の失業率は7%台に達し、仕事があっても低賃金で不安定な非正規雇用で働く若者が2人に1人、正規雇用でもサービス残業などで体や心を壊してしまう若者が増えています。これでは、結婚や子どもを持つことも考えられないでしょう。雇用の“ブラック化”といわれる非正規・正規雇用を通じた劣悪な労働環境、ハウジングプアといわれる状況、教育・子育て政策の切り下げを改善しなければなりません。社民党は昨年、『若者アクションプログラム2013 すべての若者に「ホーム」を』を提起しました。安心して働き、豊かな心を保て、いつでも帰れる住居があり、家庭や子育てへの夢を描き、親の収入による教育格差もない、あらゆる場面で安らげる「ホーム」が保障された若者支援策をすすめていきます。
東日本大震災・原発事故を経た今、国民の多くが「脱原発」を望んでいます。生活の場、仕事の場、ふるさとを奪われた被災者の苦しみは今も続いています。日本の復興にはまず「脱原発」へと舵を切ることが必要であり、被災地の復興支援や「原発再稼動反対」デモにたくさんの若者が参加している姿は、日本の大きな希望となっています。社民党は、放射能の脅威に怯えることなく暮らせるように、「脱原発」の実現と持続可能で安全な「自然エネルギー」への転換を着実に進めていきます。
また、人間らしく生活を送るためには「平和」が何より大事です。今声高に叫ばれている「国防軍の設置」や「集団的自衛権の行使」などの改憲論議は、永久不戦を誓った憲法9条を揺るがしかねない危険をはらんでいます。戦時中の日本は、徴兵や強制労働によって多くの若者が多大な犠牲を強いられました。そんな時代に戻してはなりません。社民党は、憲法で保障された様々な権利を国民から奪い、日本を戦争のできる国へ変えようとする憲法改悪の動きを阻止していきます。日本国憲法は、戦争の惨禍を教訓につくられたものであり、憲法9条は命と世界平和を守るものです。このことを、みなさんの心に刻んで欲しいと願っています。
20歳になったみなさんは、選挙権をはじめ様々な権利が発生し、また責任も負うようになりました。政治は日々の暮らしに直結しています。社民党は、若い人たちが政治・社会に関心を持ち、様々な分野で活躍されることに大きな期待を持っています。未来を担う若者が活躍できる機会をつくるとともに、就業や修学、生活環境など若者が社会生活を送るうえでの困難を解消し支援する施策に全力をあげ、みなさんのこれからを応援します。
平和で希望ある社会を一緒に創っていきましょう。
本日は、本当におめでとうございます。2013年1月14日
社民党党首 福島みずほ