2013年7月8日
社会民主党
幹事長代理 吉田忠智
7月8日、原子力発電所の安全性を判断する新たな規制基準が施行された。
新基準の施行を受け、同日午前、北海道、関西、四国、九州の電力4社は、5原発10基について再稼働を申請した。さらに九州電力は玄海原発について7月12日に、東京電力も柏崎刈羽原発について近日中に、審査を申請する予定とのことである。
新基準は福島第1原発事故の教訓を踏まえて策定され、確かに従来の「基準」と比べれば厳格化されている。しかし安全に「絶対」はなく、どんなに厳格な想定を行なっても、それを超える事態が起こる可能性は否定出来ない。福島第一原発事故の悲劇を繰り替えさないためには、基準の厳格化ではなく脱原発の意思と廃炉の準備こそが求められている。
しかも、新基準を受けて再稼働を申請した原発は、フィルター付きベント装置や事故時の司令塔となる緊急時作業拠点となる免震棟などの対策が未了のままである。原子力規制委員会は、緊急時作業拠点を代用施設で認めたり、加圧水型原発でフィルター付きベント設置に猶予期間を認めるべきではなかった。
今後、再稼働ありきの安全審査が行なわれるようであれば、原子力規制委員会への信頼は地に堕ちるだろう。原子力規制委員会には、原子力安全委員会や原子力安全・保安院の轍を踏まぬよう、最大限安全に寄せた厳格な対応を求めたい。国民が厳しい視線で見守っていることを忘れてはならない。
社民党は、再稼働を許さず「脱原発」社会の実現に向けて尽力していく。
以上