2013年2月4日

社会文化会館の耐震診断費用に関する一部報道について

社会民主党

 2013年2月2日、一部報道機関において、社民党が実施した社会文化会館の耐震診断に関して、「東日本大震災の復興予算が使われていた。社民党は復興予算が被災地以外の事業に流用されていた問題を批判してきたが、姿勢が問われそうだ」などと、社民党が復興予算を「流用」しているかのような報道がございました。その内容につきまして、事実の経過と社民党の見解を改めてお知らせいたします。

● 2011年3月11日の東日本大震災によって、社民党全国連合の入居する社会文化会館も、仕上げ材料やタイルのひび割れや剥離・落下が見られたほか、5階ホールや1階裏口などが使用不能となるなどの大きな被害を受けました。

● 一方、東京都の「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」が201 1年4月1日に施行され、緊急輸送道路の沿道建築物の所有者に耐震診断の実施が義務化されることになり、それにあわせて、耐震診断に対する助成制度が拡充されました。

● 社会文化会館自体が被災し、また東京都から耐震診断の実施状況の点検があったこと等から、社民党は、2012年6月21日、「千代田区特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進要綱」に基づき、千代田区長宛に同「助成申請書」を提出し、社会文化会館の耐震診断に着手する旨を届け出ました。そして7月2日に同「助成決定通知書」を受け取りました。12月10日に千代田区に対し、同「事業完了届」を提出し、12月17日には、千代田区長より同「助成額決定通知書」を受け取り、本年1月25日、社民党に対し千代田区から約850万円が助成金として交付されました。

● 耐震診断など住宅・建築物の耐震性の向上に資する事業について国が地方公共団体等に対し必要な助成を行う制度については、2008年度までは「住宅・建築物耐震改修等事業」として、2009年度からは「住宅・建築物安全ストック形成事業」として実施されてきましたが、2010年度から「社会資本整備総合交付金」に位置づけられました。しかし、2011年度第三次補正予算以降は、東日本大震災を教訓として、全国的に緊急に実施する必要性が高く、即効性のある防災、減災等のための事業として、「全国防災対策事業」が設けられたことから、耐震診断への国からの助成も、復興予算から繰り入れる「社会資本整備総合交付金(全国防災)」の中に位置づけられました。このため、社民党が千代田区から交付を受けた約850万円のうち、国が千代田区に助成した、およそ3分の1にあたる約280万円は復興予算である全国防災対策費を原資としていたということになります。

● 東日本大震災によって社会文化会館自体が被災し、このままでは倒壊の危険が高く、緊急輸送道路にも支障を生じかねない事態にあり、また都条例で耐震診断が義務化されたことから、社民党は、あくまでも、現行の法律、条例、制度に則って申請手続を行うなどの対応を取ってきたところです。申請窓口や助成金の交付元も千代田区であり、国等に対して、要件に合致しないのに無理に適用させたり、助成額の増額を図ったりしたこと等の事実は一切ありません。

● また、社民党は、国会等におきまして、捕鯨対策予算や事業立地補助金、原発輸出調査費等について被災地以外への流用・転用ではないかと追及してきました。しかし、防災・減災のための事業自体の必要性を否定するものではなく、「全国防災」事業については、内容を精査するとともに、復興予算から切り離して対応するよう求めてきたところです(なお、行政刷新会議の新事業仕分けによって、「全国防災事業については、東日本大震災の教訓をもとに津波に対する課題への対応の必要性が新たに認識されたものや緊急性、即効性が極めて高いものに限り、例外的に復興特別会計での計上を認める」、「復興特会で認められなかった事業については、一般会計に戻っていただき、全体としての優先順位付けをしていただく」として、社民党の主張が一定取り入れられています)。

 社民党といたしましては、以上の通り、今回の対応には法的な問題はなかったと考えておりますが、党が交付された耐震診断費用に関する助成の一部として、国が千代田区に助成した部分に国の復興予算が充てられていたことを重く受け止め、復興予算を原資とする相当額について、被災地・被災者のために、少しでも役立てていただく方向で対応することとしました。社民党として、これからも引き続き被災地の復旧・復興、被災者の生活の再建に全力で取り組むことをお誓いするとともに、今回の対応につきまして、ご理解を賜れば幸いです。