2013年4月26日
社会民主党
党首 福島みずほ
1.本日法務省は、東京拘置所で2人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。うち1人は確定から執行まで1年4ヵ月という、極めて短期間での異例の執行だった。社民党は死刑制度が人権に反するものとして、その存置に強い疑問を呈してきた立場から、今回の死刑執行に強く抗議する。
2.安倍政権下では今年2月21日に3人が死刑執行されたばかりである。政権発足からわずか4ヵ月で計5人に上る矢継ぎ早の大量執行は、政権交代前の慎重な議論を完全に無視し、死刑制度の維持・正当化を狙う安倍政権の著しく偏った姿勢の表われであり、厳しい批判を免れない。谷垣禎一法相は会見で「慎重に検討し執行した」と述べたが、そうした姿勢は微塵も窺えない。
3.1989年の国連総会で「死刑廃止を目指す、自由権規約第二選択議定書」(死刑廃止条約)が採択されたが、日本はこの条約を未だに批准していない。さらに昨年12月には国連総会で、4回目となる死刑の執行停止を求める決議が採択された。過去最多の111ヵ国が賛成した同決議は、誤審により死刑が適用された場合に取り返しがつかないことや、死刑による犯罪抑止の確証がないことなどを指摘している。死刑の廃止が国際社会共通の意思となりつつあるなかで、日本政府は度重なる指摘を無視し、一貫して世界の潮流に背を向け続けている。
4.政府および法務大臣は、早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方についてより開かれた国民的な議論を尽くし、その間は死刑の執行を停止すべきである。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。
以上