2013年5月14日

橋下徹・日本維新の会代表の従軍「慰安婦」必要発言について(談話)

社会民主党
党首 福島みずほ

1.橋下徹・日本維新の会共同代表が、旧日本軍による従軍「慰安婦」問題について、「慰安婦制度は必要だった」との認識を示すとともに、在沖縄の米軍幹部に対し、米兵による風俗営業の利用を促したことが明らかになった。

2.今回の発言は、日本軍の軍事的性的奴隷問題がアジアの女性たちの人権を剥奪し、女性の尊厳と名誉を深く傷つけたことへの思慮も、軍や基地の構造的問題だという認識も持ち合わせていないものであり、言語道断である。日本軍による性奴隷の被害者となった方を二重に傷つけるものであり、被害者の心情や苦痛に思いを致さない不見識さを断固糾弾する。

3.米兵に対する風俗営業利用促進発言も、米兵による被害や暴行事件に苦しんでいる沖縄に対する冒とくであり、根本的には、地位協定の抜本改定、米軍基地の縮小・撤去こそ求めるべきだ。

4.かつて、従軍「慰安婦」はいなかった、従軍「慰安婦」制度はなかった、狭義の強制性はなかったなどと隠蔽発言して糾弾された保守政治家はいたが、従軍「慰安婦」制度自体を必要だったと肯定する発言は聞いたことがない。軍規律維持に慰安婦制度が必要ということは、当時の日本軍は戦地で暴行をするような軍隊だったと認めたに等しい。

5.戦争という暴力の遂行のため、女性の性を利用することが当然というのは、すべての女性に対する冒とくであり、人権侵害である。今回の橋下発言は、およそ国政政党の代表とは思えない発言であり、歴史認識が欠如し、人権を歯牙にもかけない橋下氏に公職を務める資質はないと言わざるを得ない。党として、今回の橋下発言に対し、満腔の憤りを持って抗議するとともに、発言の撤回及びすべての女性に対する謝罪を強く求める。

6.社民党は、これまで他の野党と共同で「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を国会に何度も提出してきたが、成立していないのは残念である。改めて、この国が歴史を直視し、子どもたちに真の歴史の事実を伝えながら、日本で、世界で、再びこのような問題が繰り返されないためにあらゆる努力を傾けていく。

以上