2013年7月22日

第23回参議院議員通常選挙の結果について(声明)

社会民主党

 社民党は今回の選挙を、安倍内閣によるくらし・雇用と平和の破壊をこのまま許すのかどうか、重要な岐路に立つ選挙戦と位置づけ、「強い国よりやさしい社会」を掲げて全力で闘ってきました。比例代表4名、選挙区12名(公認5名、推薦6名、支持1名)あわせて16名の候補者を擁立し、3議席以上、300万票以上の獲得目標に向け総力をあげました。結果は、沖縄選挙区では推薦の糸数けいこ候補が当選、東京選挙区では党が応援する脱原発・反TPPを掲げる山本太郎候補が当選し、その意義は大きいものがあります。しかしながら、比例代表は1名に留まり改選2議席を死守できなかったという極めて厳しいものとなりました。選挙期間中、温かいご支援、ご声援で党の政策を支持していただいたみなさんには心から感謝申し上げるとともに、有権者のみなさんのご期待に沿えなかったことを率直にお詫びいたします。

 96条先行改憲、TPPへの参加表明、原発輸出や再稼働の推進など、国民より国家、日本より米国、命より電力会社を優先する安倍政治に対する怒りや不満の声が高まるなか、社民党はその受け皿となりうる政策を訴えてきました。「@改憲阻止A消費税増税の撤回、くらしと雇用の再建B被災地の再生C原発再稼働反対・脱原発社会の実現DTPP参加ではなく農林水産業を柱に地域再生」など、社民党の主張を国民の多くが望んでいることには確かな手応えがありました。しかし自民党の争点隠しもあり大きな争点にすることができませんでした。国民の期待感はアベノミクスによる経済効果であって、実体のない経済より家計への支援こそ景気回復という党の主張も浸透させられませんでした。何より候補者の不足、宣伝力や力量の低下により全国への発信力が弱まり支持を広げられなかったことも大きな要因です。

 低投票率は、国民の政治への不信感や喪失感が蔓延している証であり、気を引き締めて国政に臨まねばなりません。また自民党が圧倒的に支持されたわけでもありません。この参院選から解禁されたネット選挙運動について、社民党も積極的な活用を図りましたが、有権者と候補者の双方向のやりとり不足など多くの課題を残しました。

 選挙戦の最中、安倍首相は憲法9条改正に言及しました。今回の選挙結果で衆参の「ねじれ」が解消された安倍・自公政権の暴走はさらに加速していくと思われます。震災からの復興や脱原発、社会保障、雇用や暮らしを置き去りにして、日米軍事同盟を強化し、沖縄を切り捨てる政治を許すわけにいきません。今後、改憲問題は一気に政治の焦点に浮上してきます。日本を「戦争のできる国」「国民に戦争を強いる国」にすることは何としても阻止しなければなりません。

 社民党は、巨大与党の暴走を食い止めるために、政策や課題ごとに野党共闘を追求していきます。党に熱いご支持をくださったみなさんの期待に応えるべく国会の内外で奮闘するとともに、党再建に向けて全力を尽くします。

以上