2001年12月14日
アメリカのABM制限条約脱退について(談話)
社会民主党
幹事長 福島瑞穂
- アメリカ・ブッシュ大統領は、13日、ABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約から脱退する、との声明を発表した。MD(ミサイル防衛)計画の推進のため、とされている。
2大核保有国によるABM制限条約は世界の核軍縮に積極的な役割を果たしてきた。
最大の核保有国であるアメリカが、ABM制限条約から脱退することは、これまで世界が協力して積み上げてきた核不拡散・核軍縮への努力を根底から覆し、むしろ軍拡を誘発するものと言わなければならず、到底容認できるものではない。
- アメリカは、ブッシュ政権発足以来、一貫して核不拡散・核軍縮に非協力の態度をとり続けている。CTBT(包括的核実験禁止条約)の未批准、臨界前核実験の強行、11月の国連総会では、わが国が提案した「核廃絶決議案」にはじめて反対票を投じている。また、アメリカが推進しようとしているMD計画は、軍拡に拍車をかけるものとして世界の反発を招いている。ブッシュ政権のこうした独善的単独行動主義は、ようやく萌芽しつつある「対話と協調」による平和の枠組みづくりに背を向け、世界を再び緊張と対立に逆戻りさせるものである。
- わが国の国是であり、世界の人々の悲願である核廃絶に反するアメリカの行動に対してわが国は毅然とした態度を示さなければならない。小泉内閣は、アメリカに対して核不拡散・核軍縮体制の尊重とその推進を強く求めるべきである。
社民党は、今回のアメリカの行動に強く抗議するとともに、引き続き「核も戦争もない世界」の実現に努力していく決意である。