1999年10月1日

アメリカの未臨界(臨界前)核実験について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 渕上貞雄

 アメリカは、9月30日(現地時間)、ネバダ核実験場で7度目の未臨界(臨界前)核実験を行なった。私たちは世界の平和を願う人々とともに、実験の中止を求め続けてきたが、こうした声を無視して未臨界(臨界前)核実験を強行したアメリカ政府に対して、強く抗議するものである。

 昨年5月にインドとパキスタンが核実験を強行し、両国は国際社会の強い批判をうけた。私たちも、両国の核実験を強く糾弾してきたが同時に、核保有国が核軍縮の努力を怠ってきたことが、インド・パキスタンの核実験に口実を与えたとも考え、米ロ英仏中の核保有国に対して、積極的な軍縮努力を行なうよう強く求めてきたところである。

 アメリカ政府が未臨界(臨界前)核実験はCTBTに違反しないといくら強弁しても、国際的な核不拡散体制が大きくゆらぐなかで、核のない世界への流れを大きく傷つけることは明らかである。ことに、現在はCTBT成立から3年を迎え、発効をめぐって重大な局面を迎えている(CTBT14条の規定にはCTBTが署名のために開放された日=96年9月24日から3年を経ても発効しない場合には、国連事務総長はすでに批准している国の過半数の要請によって批准国の会議を招集し早期発効に向けた措置を検討することになっている)。アメリカ政府は世界最大の軍事力を持つ強力な核兵器国であることを自覚し、もっとも強く自制し核軍縮を積極的に進めることを強く求められている。私たちはアメリカ政府の未臨界(臨界前)核実験強行の横暴を断じて認めることができない。

 さらに、日本政府も核廃絶を建前として語りながら、自らはアメリカの傘の下にあり続け、むしろ、新ガイドラインによってアメリカとの戦争協力体制を強化しようとさえしている。ヒロシマ・ナガサキの悲惨な被爆体験をもつ国として、断固とした態度でアメリカの未臨界(臨界前)核実験に抗議し、核軍縮へ向けたリーダーシップを発揮すべきである。社会民主党は、今後も世界の平和を願う人々と固く連帯しながら、あらゆる核実験に反対し、核廃絶へ向けた努力を強めていくものである。

以上