2000年2月4日

アメリカの未臨界(臨界前)核実験について(談話)

社会民主党全国連合 
幹事長 渕上 貞雄

 アメリカは、2月3日午後2時(日本時間4日午前)、ネバダの地下核実験場で9度目の未臨界(臨界前)核実験を行なった。社会民主党は世界の平和を願う人々とともに、実験の中止を求め続けてきたが、こうした声を無視して未臨界(臨界前)核実験を強行したアメリカ政府に対して、強く抗議するものである。

 今回の核実験は、国立ローレンス・リバモア研究所が担当し、「オーボエ3」と名付けられている。米エネルギー省が未臨界(臨界前)核実験では「核分裂は起こっていない」とか「CTBTに反しない」といくら強弁しても、国際的な核不拡散体制が大きくゆらぐなかで、核のない世界への流れを大きく傷つけることは明らかである。

 ましてや、今回の実験は昨年l 0月にアメリカ上院が包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を否決した後、2度目の実験である。自国の批准の失敗でCTBTの発効に水を差し、世界の核軍縮へ向けた動きの妨げとなっているアメリカ政府が、無反省に未臨界(臨界前)核実験を重ねるなど言語道断であり、まったく恥知らずな行為といわざるを得ない。

 それ自身、決して十分とはいえないCTBTすら、このまま発効の見通しを失うのであれば、核のない21世紀へ向けた私たちの希望は絶望に転じ、核拡散の不安に覆われた新世紀を迎えることともなりかねない。

 アメリカ政府は世界最大の軍事力を持つ強力な核兵器国であることを自覚し、核拡散につながる行為をもっとも強く自制し、核軍縮を積極的に進めることを強く求められている。私たちは新しいミレニアムに核実験を持ち込んだアメリカ政府の暴挙を断じて認めることができない。

 社会民主党は、ヒロシマ・ナガサキの悲惨な被爆体験を踏まえ、世界の平和を願う人々と固く連帯しながら、あらゆる核実験に反対し、核廃絶へ向けた努力をさらに強めていくものである。

以上