1999年11月10日

アメリカの未臨界(臨界前)核実験について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 渕上貞雄 

 アメリカは、11月9日午後(日本時間10日未明)、ネバダの地下核実験場で8度目の未臨界(臨界前)核実験を行なった。社会民主党は世界の平和を願う人々とともに、実験の中止を求め続けてきたが、こうした声を無視して未臨界(臨界前)核実験を強行したアメリカ政府に対して、強い怒りを禁じ得ない。

 国立ローレンス・リバモア研究所が担当し「オーボエ2」と名付けられた今回の実験は,アメリカ上院で包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准が否決(10月13日)されたのち初めての実験であった。これまでの7回の実験では、その実験が「CTBTに違反しない」との声明を発表していたが、今回の声明は核反応が起きなかったことを確認しただけで、CTBTにはふれられていない。

 アメリカ政府が未臨界(臨界前)核実験では「核分裂は起こっていない」とか「CTBTに反しない」といくら強弁しても、国際的な核不拡散体制が大きくゆらぐなかで、核のない世界への流れを大きく傷つけることは明らかである。

 ましてや、アメリカ上院のCTBT批准否決で、CTBTの発効自体が厳しい局面を迎えている。CTBT成立から3年を迎えてもいまだ発効に至らず(CTBTは核技術を持つ44カ国の批准を発効の条件としている)、日本が議長国として開催したCTBT発効促進会議(CTBT14条の規定にはCTBTが署名のために開放された日−96年9月24日から3年を経ても発効しない場合には、国連事務総長はすでに批准している国の過半数の要請によって批准国の会議を招集し早期発効に向けた措置を検討することになっている)でも、めざましい成果は見られなかった。それ自身、十分な内容とはいえないCTBTすら、このまま発効の見通しを失うのであれば、核のない21世紀へ向けた私たちの希望は絶望に転じ、核拡散の不安に覆われた新世紀を迎えることともなりかねない。

 アメリカ政府は世界最大の軍事力を持つ強力な核兵器国であることを自覚し、もっとも強く自制し、核軍縮を積極的に進めることを強く求められている。私たちはアメリカ政府の未臨界(臨界前)核実験を断じて認めることができない。

 さらに、日本政府も核廃絶を建前として語りながら、自らはアメリカの傘の下にあり続け、むしろ、新ガイドラインによってアメリカとの戦争協力体制を強化しようとさえしている。ヒロシマ・ナガサキの悲惨な被爆体験をもつ国として、断固とした態度でアメリカの未臨界(臨界前)核実験に抗議し、CTBTの発効、核軍縮の進展に向けたリーダーシップを発揮すべきである。

 社会民主党は、今後も世界の平和を願う人々と固く連帯しながら、あらゆる核実験に反対し、核廃絶へ向けた努力を強めていくものである。

以上