2000年11月22日

あっせん利得処罰法案の成立に当たって(談話)

社会民主党    
幹事長 渕上貞雄

  1. 本日の参議院本会議で与党提出のあっせん利得処罰法案が成立した。国民の期待は、実効性のあるあっせん利得処罰法によって、「口利き政治」から決別し、21世紀の新しい政治への大きな一歩とするところにあった。しかし、審議の過程で明らかになったように、与党案は、法の対象がが限定されるとともに、罪が問えるまでに高いハードルが設けられている。しかも、様々な抜け道が想定されるなど、内容的に大きな問題があり、実効性が懸念されるものとなっているといわざるをえない。

  2. 野党は共同で、(1)犯罪主体に私設秘書を加える(2)立証が難しく処罰範囲を狭くする「その権限に基づく影響力を行使して」という文言を削除する、(3)あっせん行為の対象をいわゆる「契約・行政処分」に限定しないという3項目の最低限の修正を求めた。しかし与党は自らの案に拘泥し、一切の建設的な提案を受け入れなかった。このような与党の頑な態度は。「政治家はあっせんする動物」とする体質が変わってないことを如実に示している。

  3. 与党案は、全体の奉仕者としての本来の議員のあり方を追及し、政治の構造や質を考え直すきっかけとするというあっせん利得処罰の法制化の意義を損ない、国民向けの「アリバイづくり」にしかすぎない。KSD疑惑で顕著な自民党支部経由の脱法献金問題や、東京都の信用保証協会事件で浮き彫りとなった口利き政治と森自公保連立政権下で疑惑や不正、腐敗、癒着が次々と明らかになっている。社会民主党は、腐敗防止と国民の信頼回復、新しい民主主義の確立のために全力をあげる。