2001年6月28日

「防衛省設置法案」の提出に抗議する

社会民主党政策審議会
会長 辻元清美

  1. 本日、保守党の野田毅議員が、防衛庁を「省」に昇格させる「防衛省設置法案」を国会に提出した。賛同者には自民党の防衛庁長官経験者らが名前を連ねている。防衛庁を防衛省に昇格させるという重大な法案が、なぜ会期末に提出されねばならないのか。社民党としては断じて容認できない。提案者らに厳重に抗議する。

  2. 日本の防衛力については、長い間憲法論争が行なわれてきた。この経緯は提案者らも十分承知しているはずである。自衛隊の現状に対しても、国民から多くの批判が向けられている。つい先日も、北海道において自衛隊機による誤射という重大な事件が発生した。自衛隊に対する国民の目は厳しい。このような時期に、あえて「防衛省設置法案」を提出する意図は何なのか。新ガイドライン関連法、小泉首相の集団的自衛権の容認発言、靖国神社公式参拝表明など、わが国右傾化を推進しようとする危険な策動と軌を一にする行動であることは明らかである。参議院選挙向けのパフォーマンスなどというレベルの問題では断じてない。

  3. 防衛庁の「省」への昇格が、近隣諸国の警戒や反発、不安を招くことは必至であり、憲法九条の理念に反することも明らかである。社民党は、この「防衛省設置法案」を直ちに撤回するよう、提案者らに強く求める。