地方分権推進委員会最終報告について(談話)

2001年6月14日
社会民主党 幹事長
 渕上貞雄

  1.  地方分権推進委員会は、分権・自治の観点で日本社会の構造転換を図ろうという大きな視野で、戦後の国地方関係の抜本改革に取り組み、画期的な機関委任事務制度の廃止や国地方係争処理委員会の設置など地方分権改革に大きな足跡を残した。しかしながら、関与の縮小廃止方策に重点を置いたため、住民投票制度など住民自治の拡大にはほとんど手がつけられず、地方事務官や沖縄問題への対応などにも問題を残した。

  2. 「最終報告」は、地方税財源の充実確保方策について、国から地方への税源移譲によって地方税財源の充実を図っていくという基本視点を明確にしており、一方的な地方歳出削減を目指す経済財政諮問会議の方向性とは異なっている。「税財源の地方分権は、国・地方を通ずる行財政全体の構造改革にとっても重要な要素であり、むしろ不可欠の手段」である。経済財政諮問会議議長でもある小泉総理はこの「最終報告」を最大限尊重すべきである。

  3.  地方税財源の充実確保方策や住民自治の拡充などの課題は残っており、地方分権はいまだ道半ばである。「未完」の地方分権を完成させるため、独自の事務局を有する新たな委員会を設置し、市町村の自治権の拡充という重要な問題を含め、第2、第3の分権改革の推進を図るべきである。