2001.7.18

ジェノバ・サミットについて(見解)

社会民主党党首 
土井たか子

 7月20日からジェノバ・サミットが開催される。

 21世紀の世界の平和と安定に主要国がどのような責任と役割を果たすのか世界が注目している。

 アメリカが独善的一国支配を強める一方で、中国、ロシアが友好条約を締結するなど、世界は再び緊張と対立を復活させかねない状況にある。新たな岐路にさしかかっている、といわなければならない。信頼と協調による平和と共生か、緊張と対立の復活か、ジェノバ・サミットの持つ意味は大きい。とりわけ、京都議定書締結の議長国であり、日米関係を重視するわが国の対応への関心は強い。

 社民党は、今回のサミットが世界の平和と安定に向けて成功を納めるよう各国の努力を期待する。そのためにも、わが国が積極的な役割を果たすよう強く望むものである。

  1. 京都議定書を2002年から発効するよう早期批准することを明確にする
     アメリカの動向にかかわらず、わが国は早期批准を行い、2002年から議定書が発効するよう国際的リーダーシップを発揮すること。

  2. 軍縮・核軍縮に積極的に取り組むこと
     アメリカのABM条約からの離脱やCTBTの死文化は不十分と言えども、これまで各国の努力によって積み上げてきた軍縮の方向を根底から覆すものであり、IAEAの根拠を失わせ、核拡散に道を開くものと言わなければならない。これまでの軍縮・核不拡散体制
    を再確認するとともに、さらに発展させる方向での努力を強く求める。

  3. 発展途上国への実行ある積極的な支援を
     経済格差や貧富の差の拡大など、グローバリズムの被害は大国によってもたらされたものである。発展途上国への債権放棄や疾病対策、環境保全などについて、主要国は自らの責任としてこれらの諸問題の解決に積極的に取り組むべきである。