2001年4月6日

「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の成立にあたって(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 渕上 貞雄

1,本日、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が衆議院本会議で可決成立いたしました。社民党は、どの政党よりも早く「ドメスティック・バイオレンス(DV)防止と被害者の保護に関する法案」策定に着手し、1999年12月には、わが党の骨子案を公表、婦人相談所や民間のシェルターなどの関係者、学者・弁護士らとともに法案を練って参りました。わが党は、男女平等、女性の人権を重視する立場から、同法案の成立を大きな成果であると確信します。

2,本法は、参議院「共生社会に関する調査会理事会」のもとに設置された「女性に対する暴力に関するプロジェクトチーム」が新規立法の作業を続け、参議院「共生社会に関する調査会」会長が提案いたしました。超党派の女性議員が主体となって、DV防止のために一致団結し、その努力が実ったことは、21世紀を男女平等の社会としていく力強い第一歩といえましょう。

3,本法はその前文に「女性に対する暴力」が人権問題であることを明記しています。また、大きな特徴は、第一に罰則付き保護命令を新設したことです。社民党は、被害者の生存権にかかわる問題として「保護命令」を設けることを、当初から強く主張し、被害者が暴力から逃げるために転居などを余儀なくさせられるのではなく、「加害者の被害者への接近禁止」、「加害者の住居からの退去」によって、被害者の生活権を守ることを盛り込みました。
 ほかに、都道府県における配偶者暴力相談支援センターの設置、国及び地方公共団体のNGOに対する援助、通報義務、職務関係者への研修、暴力をなくすための教育・啓発、調査研究なども明記しました。

4,本法は、3年後の見直しを規定しています。接近禁止等の期間が短いこと、保護命令の申し立ての煩雑さなど、法案は未だ不充分だと思われる点があります。
 今後も社民党は、同法の運用状況を踏まえて、真にDV被害者の援助となるよう同法の改善に努力するとともに、暴力の根絶に向けて積極的な取り組みをすすめていきます。

(以上)