2000年8月15日

敗戦の日にあたって

社会民主党

 

  1.  本日、第二次世界大戦が終わって55回目の敗戦の日を迎えました。わが国が、過去に犯した、中国をはじめとする、アジア諸国への侵略と朝鮮半島の植民地支配などが、アジアの近隣諸国の人々に多くの犠牲をもたらし、今なお、大きな傷跡を残していることを、改めて反省を込めて、私どもの胸に刻まねばなりません。

  2.  あと4カ月余で20世紀がしめくくられようとしている現在も、人類が未だ戦争の根を断ち切るに至っていないことを深刻に受け止め、21世紀を平和の世紀とするために決意を新たにしなくてはなりません。核兵器の登場以後、戦争は人類の生存そのものを脅かすものになっています。にもかかわらず米国をはじめとした世界の大国は、核兵器による抑止に頼り、軍事力に 依存して世界の秩序を維持しようとしているのです。私たちは人類の将来のために、核兵器を廃絶し軍事力に頼らない安全保障体制を構築することが急務であると確信するものです。

  3.  世界ではじめて原子爆弾を投下された「ヒロシマ・ナガサキ」の悲惨な体験を踏まえ、戦争で失われたすべての御霊に報いるためには、二度と同じ過ちを犯すことがないよう、21世紀を真に平和な世紀とする以外にありません。日本政府は依然として米国に追随し、自らが引き起こした侵略戦争と植民地支配に対する本質的な反省も避けつづけていますが、こうした姿勢を転換させ、平和憲法をもつ日本こそが世界平和に向けたリーダーシップを発揮すべきであります。

  4.  本年6月に開催された南北朝鮮首脳会談は、半世紀にわたって続いた民族分断と対立の歴史に終止符を打ち、対話と和解の新たな歴史の出発点となりました。冷戦後も北東アジアに残っていた対立の残滓は、いまや取り除かれようとしています。日本政府はいたずらに朝鮮民主主義共和国を敵視するのではなく、南北朝鮮の対話を積極的に支援し、朝鮮民主主義共和国との国交正常化をこそ急ぐべきです。

  5.  わが党は、平和のもとに暮らすことを願う地球上のすべての人々と手を携えて、戦争の放棄を明記した日本国憲法を活かし、世界に広げるために奮闘する決意です。このため、北東アジアにおける非核平和地帯条約の締結の促進や、沖縄をはじめとした在日米軍基地の整理縮小を進めると同時に、有事立法化反対などの闘いに全力を尽くすことを誓います。

以上