1999年11月10日
社会民主党幹事長 渕上 貞雄
1,本日、最高裁判所大法廷は、小選挙区比例代表並立制が初めて導入された1996年10月の衆議院総選挙無効訴訟の上告審にあたり、現行衆議院選挙制度について初の憲法判断を下した。社会民主党は、この判決が一票の価値の格差の不平等をを「合憲」としたことについて、疑問を禁じえない。
2,もう一つの争点である重複立候補制度について、社民党は、死票の増大などの小選挙区制の欠陥をできうるかぎり是正するとともに、地域の多様な意思を議席に反映できるようにするため、有為の候補に当選の機会を与える目的で設けられているものと理解している。並立制は、小選挙区と比例代表の2つの別の選挙からなっており、それぞれ別個独立の選挙として扱うべきであり、比例代表で当選した候補は、比例代表名簿に投じられた有権者の民意が反映されていると考えるべきである。
3,また、重複立候補との関係で、法定得票数以下の者や供託金没収者の繰上げ当選を禁止すべきという議論がある。しかし、社会民主党は、比例代表に示された民意を尊重する立場から賛同できない、これらの課題については、小選挙区比例代表並立制自体を抜本的に見直すことで対応すべきである。
4,社会民主党は、現行の小選挙区比例代表並立制は、基本的に民意を反映する制度ではないと考える。したがって、民意の反映という選挙制度改革の基本に立ち返り、公正な衆議院選挙制度を実現するため、「小選挙区併用型比例代表制」への転換を改めて強調したい。