1999年3月2日

 

 

いわゆる「日の丸」「君が代」の法制化について(談話)

社会民主党    
幹事長 渕上 貞雄

(1)本日、小渕総理は「日の丸」「君が代」法制化について検討する旨に意向を示したと伝えられている。すでに総理は先月25日の参議院予算委員会において「日の丸、君が代が国旗、国歌であることの認識は確立している。現時点では政府として法制化は考えていない。」と述べており、明らかに矛盾する見解と言わざるを得ない。

(2)わが党は、「日の丸」「君が代」が、現在国民に定着していることを認めている。しかし「日の丸」「君が代」が、アジア侵略のシンボルとして、いまだにアジア諸国、とりわけ中国、朝鮮半島の人々が反発を示していることや、そもそも国旗、国歌として法制上定められていないことを踏まえ、政府が教育現場等において「国旗掲揚」「国歌斉唱」を強制する実態があることについて、これまで強く批判してきたところである。

(3)先日、広島県立世羅高校の校長が自殺するという痛ましい事件が起こったが、これは、県教育委員会が学校現場の様々な意見を無視して「君が代」斉唱を強制するよう県立学校長に強く命じたことによって、校長が現場との板挟みになったことに原因がある。こうした事態を起こさないために法制化するというのであれば、本末転倒の見解と言わざるを得ない。「日の丸」「君が代」の強制はもちろん法制化についても言うべきでないということが今回の事態でもあきらかではないか。

(4)野党各党の党首も法制化の検討について言及している模様であるが、わが党は、「日の丸」「君が代」が国民に定着していることを認めつつも、以上のことから、これらの一連の動向に与することはできない。