1999年7月22日

「国旗国歌法案」の衆議院通過にあたって(談話)

社会民主党全国連合
幹事長  渕上 貞雄

1、本日、衆議院本会議において「国旗及び国歌に関する法律案」の採決が強行された。わが党は、十分な審議も国民的議論もないまま、法案を唐突に国会に上程し、法制化を強行する政府与党の姿勢を断じて認めることはできない。

2、「日の丸」「君が代」の問題は、国民一人ひとりの精神生活に関わるものであって、思想・良心・信教の自由や主権在民など憲法の基本原理を侵害するおそれのある重大な問題である。現在でも学校現場では、国旗を「日の丸」、国歌を「君が代」として掲揚、斉唱が強制されており、今回の法制化によって、この流れがさらに強まることを危惧せざるを得ない。

3、われわれは、「日の丸」「君が代」がアジア・太平洋地域の人々に対する侵略のシンボルとなった不幸な歴史を忘れてはならない。いま必要なことは「日の丸」「君が代」を拙速に法制化することより、過去の歴史を正しく認識しアジア・太平洋の人々と真の和解をすすめることである。

4、現在、ガイドライン関連法や、住民基本台帳法改正案、憲法調査会の設置、盗聴法をはじめとする組織犯罪対策三法案など、憲法を形骸化させる動きが一気に押し進められている。国民的合意形成を欠いたまま現段階で立法目的もあいまいなまま強行される「日の丸」「君が代」法制化の動きは、偏狭なナショナリズム昂揚の意図さえ窺わせ、わが党は断じて認めることはできない。

5、「国旗」「国歌」のあり方については、あらためて幅広い見地から国民的論議を行なうべきである。わが党は、引き続き同法を廃案に遣い込むため、院内外全力をあげる決意である。

以上