2001年9月26日

小泉首相訪米についての談話

社会民主党幹事長

渕上 貞雄

 ニューヨークとワシントンで同時多発テロが起きてから、2週間が経過した。いまだに多くの方々が行方不明となっていることに深い悲しみを覚えるとともにそのご家族にお見舞いを申し上げる。

 小泉首相は昨日ワシントンでブッシュ大統領と会談し、新しい法律を作って自衛隊が従来の枠を越えて米軍の軍事行動の後方支援することを公約した。国会に上程する前にアメリカに約束するということは甚だしい国会軽視であり、法案を早期に提案することは大事だが早期に成立させることが大事だと公言されるに到っては、議会制民主主義への無感覚を露呈したものである。

 また自衛隊を危険な地域に送り込めば攻撃目標とされることは十分予測できる事態であるのもかかわらず、かかる重大事を早々と独断で宣言することは、許されない暴挙である。

 わが党は改めて、残虐なテロ行為を厳しく批判するとともに、国際社会がテロ防止システムを様々な分野で構築することを求める。日本はそのために積極的に提案し行動すべきである。自衛隊が遠征して米軍の軍事行動の一翼を担うことは平和憲法をかなぐり捨てることであり、断じてわが国が執るべき道ではない。