2000年4月11日

石原東京都知事の再三の差別発言に抗議する

社会民主党東京都連合       
代表 田英夫          

社会民主党平和・人権・環境委員会 
委員長 星野郁夫        

1、石原東京都知事は、4月9日の陸上自衛隊第1師団の記念行事で、「東京では不法入国した三国人、外国人の大きな犯罪が繰り返されている。大災害が起きたら騒じょう事件も想定される」として、自衛隊に対し「治安の維持も目的として遂行してほしい」旨の発言を行った。さらに昨日(10日)は、視察先で、「東京の犯罪は凶悪化しており、全部三国人、不法に入国して居座っている外国人じゃないか」、「不法に入国している外国人が必ず騒じょう事件を起こす」などと「三国人」発言を繰り返した。

2、騷じょう事件即自衛隊の治安出動という発想自体も短絡的であり、極めて問題だが、看過できないのは、石原知事の外国人に対する根深い差別意識、とりわけ韓国人、朝鮮人、中国人に対する排外的ともいえる差別意識である。社民党は、繰り返される石原都知事の差別発言に強く抗議するとともに、差別発言を直ちに撤回し、謝罪するよう求める。

3、石原発言に、在日諸団体、中国、韓国、北朝鮮等から非難と抗議が殺到しているが、これは当然である。知事の発言は、関東大震災時における朝鮮人大量虐殺の再来に道を開きかねないからである。しかるに知事は、あろうことか「何かいけないことを言いましたか」と、居直りとも挑戦ともとれる態度をとっている。この国際化の時代に、このような人物が国際都市東京を代表しているのかと思うと、あまりの時代錯誤に呆然とするしかない。

4、石原知事の発言にもかかわらず、事実は石原知事の発言を根底から覆している。阪神大震災の記憶はまだ生々しいが、その時、外国人による騷じょう事件はおきたか。今また有珠山の噴火という災害が発生しているが、北海道で外国人による暴勤が起きているのか。こうした事実に目を向けず、なぜ石原知事は、「大災害時に外国人が必ず騒じょう事件を起こす」と自信をもって言うのか、その根拠を明確に説明する責任がある。石原知事の発言は、故意に民族差別を助長するものであり、断じて容認できない。