JR不採用問題に関する談話

1999年5月25日
社会民主党幹事長 渕上 貞雄

1.自由民主党・社会民主党・新党さきがけの当時の連立与党三党は、国鉄分割・民営化の残された最大の課題である国労組合員のJR不採用問題について、昨年5月の東京地方裁判所の判決を契機に、政策責任者の下に実務者からなる3人委員会を設け、連立政権解消後も本問題の解決に向けた率直な協議を重ねてきた。本問題の解決は、国鉄長期債務処理法案の審議においても、党派を越えた思いとして共通認識となっていたところである。そして国鉄改革法を認め全面解決に向けた取り組みを行うという3月18日の国労第64回臨時大会の決定を経て、社民党は自民党との実務者協議を再開するとともに、自由党をはじめとする各党や政府への働きかけを行うなど、精力的に取り組んできた。本日、自由民主党及び自由党から本問題の早期解決に努力する旨の幹事長談話が出されたことは、政府与党が問題解決に向けて前に一歩踏み出したこととして、心から歓迎する。

2.今後、政・労・使の話し合い解決のためのテーブルが設けられることになるが、過去の経緯は経緯として、問題解決のチャンスを逃すことなく、関係者間で話し合いを真摯に行い、早急に結論を見出せるよう努力すべきだ。とくに政府・与党としても責任を持って、本問題の早期和解に必要な措置をとるよう積極的に乗り出すことを期待したい。

3.国鉄分割・民営化後12年が経過し、解雇された人々や家族は極めて厳しい状況下におかれている。不採用になった組合員とその家族の苦しみに思いを馳せるならば、JR不採用問題は一刻も猶予の許されない大きな社会問題・人道問題であり、社会民主党は、今後とも一日も早い全面解決の実現に全力を上げる決意である。