2000年5月30日
JR不採用問題の解決に向けて(談話)
社会民主党
幹事長 渕上貞雄
- 本日、社会民主党と、自由民主党、公明党、保守党との間で、JR不採用問題の解決のための話し合いの基本的枠組みについて、包括的打開に向けた合意に至った。わが党は、本日の合意を高く評価し、関係者のご尽力に感謝申し上げる。
ふりかえれば、1987年4月1日の国鉄分割・民営化から13年が過ぎた。解雇された1,047人の組合員のうち、すでに19名が他界された。解雇された組合員やその家族のこれまでの長きにわたる辛苦を思うとき、人道的立場から1日も早く解決すべき大きな社会問題として、社会民主党は、国労と連携をしながら、連立政権を解消してからも、自民党との間で本問題の政治解決に向けた政党間協議を粘り強く続けてきた。
- マスコミ各紙の論説をはじめ、この問題の解決は、話し合いによる和解の努力によって打開する以外にないということが、広範な世論である。昨年11月18日、国際労働機関(ILO)からも、JRと関係組合の積極的交渉を奨励するとともに、ILO条約の適用の保障についても日本政府の責任である旨の勧告が出された。さる5月18日に、連合も執行委員会で、国際運輸労連(ITF)のコックロフト書記長の「ILO勧告に関する共同の呼びかけ」に賛同を決定し、早期解決に向けた大きな後押しとなった。今回の合意は、これら内外世論に応えたものであると考えている。
- 本日の合意を受け、今こそ過去の経緯は経緯として、問題解決のチャンスを逃すことなく、関係者間で具体的な話し合いを真摯に開始し、早急に結論を見出せるよう強く望む。
社会民主党は、国労が早期に臨時全国大会を開催して本日の合意内容を確認するとともに、JR各社と正常かつ民主的な労使関係を確立することを要請する。もちろん、不採用問題に長年たずさわってきた経緯を踏まえ、社民党は、本日の合意を受けて一日も早い本問題の解決のための対応と処理に、政党として責任を持って当たる決意である。政府・与党としても、早急な打開のためにより一層努力されることを求める。
- 安心して利用できる鉄道の確立、地域の「足」の確保、良質な鉄道サービスの提供など本来の鉄道労働運動の課題は山積している。社会民主党は、社会党時代から長い連帯と友情を込めて国労がこの節目を越えて、解決後は、利用者・国民とともに新たな展望を持って、21世紀の鉄道労働運動として歩み、発展することを願っている。