2000年3月13日

内閣総理大臣
 小渕 恵三 様

社会民主党    
 党首 土井 たか子

警察制度刷新会議のあり方に関する申し入れ

 一連の警察官による犯罪・不祥事の発生を受け、警察制度自体を抜本的に見直すため、警察制度刷新会議が国家公安委員会の下に設けられました。しかし、今回の一連の警察不祥事の原因は、警察内部による監察に限界があることと、国家公安委員会及び都道府県公安委員会がともに形骸化し警察の隠れみのでしかないことにあります。

 社会民主党は、国民・住民の立場から完全に乖離した警察の独善的な意識と、その言い分を鵜呑みにし監督機能を放棄した公安委員会の姿勢は大きな問題であり、そこにメスを入れなければ警察の再生はありえないと考えます。したがって、国民に開かれた形で警察制度の改革を進めるため、下記の2点について申し入れるものです。

1,国家公安委員会の下におかれる検討機関では、改革の対象である警察庁が事務局を努めることになる。しかしこれでは、「泥棒が縄をなう」ことになり、国民の信用はえられない。国民的な改革の論議を進めるため、検討機関については、国家公安委員会・警察庁と切り離し、総理直轄の独立した機関を設けること。また、事務局について、警察官僚を一切加えないこと。

2,警察制度刷新会議には、内閣特別顧問である中坊公平氏が委員として就任している。しかし、内閣総理大臣の意思決定に係る助言を努める内閣特別顧問との兼務は、同会議の政治的中立性を損ないかねず、検討の公平さに疑問を抱かせることになり、妥当性を欠く人事である。内閣特別顧問を検討機関の委員に充てた総理の見識が問われなければならない。緊急の国民的課題である警察制度の改革の検討に際しては、公正な審議が求められることから、委員の人選について見直しを行い、警察に批判的な方も参加をいただいた本当の意味での第三者機関とすること。